研究活動紹介
京都市北区学区ビジョン策定活動について
名前 | 関谷 龍子(社会学部 公共政策学科) |
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研究課題 | コミュニティ活動・地域自治 |
研究内容
はじめに
地域自治組織としての自治会・町内会活性化をテーマとし、京都市北区待 鳳学区「学区まちづくりビジョン」策定(北区役所による委託研究、2016年9月~2017年2月)を行った。関谷ゼミ所属の学生が、自ら課題を発見し解決するアクティブラーニングの手法に従い、地域の現状や問題点を理解・把握した上で、実践活動を通じてビジョン作成に関わった。
まちづくりビジョン策定
学生の役割として、ワークショップのファシリテーター、ワークショップ 議事録の作成、ワークショップの内容を地域に広報するニュースレターの作成を担当することになり、ワーク ショップの結果を元に、学区との協議 を経てビジョン作成につなげること が期待された。

まず地域の現状を把握するため、学区在住者に地域の案内を依頼し、学区内の街歩きを実施し、次いで、ファシリテーターの役割を習得するため、北区まちづくりコーディネーターに依頼して学習の機会をつくった。実際のワークショップでは、学生がファシリ テーターと筆記・記録役とを分担し、学区居住者約25名の参加によるワーク ショップを、待鳳第一自治会館にて計3回実施した。
学生は、すべての回において、ファシリテーター、記録、まとめ発表の役割をこなし、各回の間には議事録とニュースレター作成も分担して行った。3回にわたるワークショップの結果を基に、学区役員、学生、コーディ ネーターらにより学区ビジョンの素 案づくりを行い、数次の修正を経て、 2017年3月に待鳳学区まちづくりビ ジョン(図1)が完成した。

ワークショップ
第1回
地域の良い部分を出し合うことから始まり、学区役員の希望で「理想の町内会」について意見を出し合った。
第2回
理想を実現するために何を行っていったらよいかについて、また学区がまとまるための仕掛けづくりについて、意見を出し合った。
第3回
2回目の案を受けて、実現のための具体策について議論を行った。
図1 待鳳学区まちづくりビジョン


まとめ
「学区まちづくりビジョン」策定の過程を通して、学生たちはワークショップ参加やグループワークを通して主体的に取り組み、実践を行った。委託研究、地域連携活動の一環という性格上、学生自身だけですべてを行っていくことは 困難であったため、待鳳学区会長以下諸役員の方々はもちろんのこと、北区まちづくりコーディネーター、区役所職員にも様々な面でサポートを頂いた。
今回、「学区まちづくりビジョン」は策定の初年度にあたり、試行的な実施であった。北区により策定された『北区民つながるプログラム』でも、18プロジェクトの中に「大学、学生と地域が、お互いを知る!」「大学、学生の力を地域課題解決につなげる!」「大学と地域が関わりあう!」の3項目があり、このプログラムの取り組みに多少なりとも寄与できたとすれば、意義あることである。ゼミでは2017年度も、待鳳学区の地域課題の解決に協力していく予定である。
研究者紹介

関谷 龍子(社会学部 公共政策学科)
専門分野
地域社会学
最近の業績
- 「農村地域におけるソーシャル・イノベーションとして のIターン者」(『佛教大学社会学部論集』59、2014年9月)