別科の設置について

佛教大学長 田中 典彦

佛教大学長 田中 典彦

行と学の双修を

佛教大学の別科(仏教専修)は、浄土宗の宗侶養成機関として設立されてから43年にわたる歴史を積み重ねてきました。その間、数多くの優れた人材を輩出し、宗門後継者の養成機関として揺るぎない地位を築くに至っております。それは別科の基本理念としての「行学双修」を着実に実行してきたからであり、これは今後も変わることはありません。

別科では、全寮制による二年間の道場生活を送りながら、僧侶として備えるべき様々なことがらを、「行(実践)」を通じて身につけ、あわせて広く仏教や法然浄土教とについて「学(知識)」として修めていきます。したがって、朝起きてから夜寝るまでの道場生活が、すべて宗侶養成のための重要な課程であると自覚して取り組んでいただかなければなりません。道場では「清規(道場の規則)」の遵守が求められ、僧侶としての生活をすることになります。その中で、正しく清らかな僧としての生活習慣を身につけるとともに同じく修行に励む他の道場生との連帯感や共に生きる心も培われていくと信じています。

新入生のみなさんには、環境の変化に直面し、生活に慣れるまで不安や緊張することがあると思いますが、そのすべてが行と学であると受け取って、しっかりと取り組んでください。

二年生のみなさんは、一年生の手本となりながら、自身の行と学とを完成させるべくより一層精進していただきたいと思います。

みなさんが生きて行く時代こそ、世界の人々が平和で幸せに生きて行ける指針と指導者が求められることになるでしょう。その指導者が僧侶としての君であってほしいと思います。

和合衆といわれるように、道場生が和を以て心を一つにして、相互に助け合いながら、浄土宗が目指している劈頭宣言「(己に)愚者の自覚を、家庭にみ仏の光を、社会に慈しみを、世界に共生を」が実践できる僧侶を目指して、しっかりと行学双修に努めていただくことを期待しております。

宗門後継者養成道場長 稲岡 誓純

宗門後継者養成道場長 稲岡 誓純

めざせ行学双修のお坊さんを

新入生の諸君、ご入学おめでとうございます。

新二年生の諸君、心あらたなことと思います。

別科(仏教専修)は浄土宗の僧侶の養成を根幹として、昭和52年度に大本山清浄華院に宗門後継者養成修練道場(浄山道場)として開設されました。今年で44期生を迎え、修了生は500人を超えております。

浄山道場の玄関を入った正面に「佛教大学道場清規」が掲げられています。まず、この内容を理解し、しっかり遵守していただきたいものです。そして毎日の勤行と清掃などの作務をはじめ、仏教の開祖であるゴータマ・ブッダの生涯とその思想、お念仏の元祖である法然上人の伝記とその思想、インド・中国・日本の仏教史、浄土三部経などの講義、法式などの実践仏教の講義、はたまた茶道・華道・書道などの僧侶として必要な科目などの講義など、行(実践)と学(理論)を双修する道場生活に精進・努力をしていただきたい。

特に新入生の諸君にとっては、これからの2年間の道場生活は、今までの生活とはまったく違い、戸惑うことが多々あると思います。そこで先輩の二年生を手本としていただき、二年生の諸君は新入生の良き手本となり、共に諸先生方に教えを請い、「和合の心」すなわち同じこころざしをもつ者たちが仲良くという「和」の心を養っていただきたい。

昔から、お正月や寺院の法要には必ず「お鏡(鏡餅)」をお供えしますが、今一度、餅米がお鏡になる過程を考えていただきたい。......餅米はまず冷たい水に二・三日は浸けられます。次には熱湯の上で蒸籠に入れられ蒸されます。その次は、四股撞きをされ、最後にペッタンペッタンと頭を叩かれます。そうすると餅米同志が粘りを出し、餅と成り、丸められて立派な「お鏡(鏡餅)」となるわけです。このことは我々が一人前になる過程において、さまざまな苦労を重ねてもそれに耐え忍び、精進・努力しなければならないことを教えたものです。よって一人前になる見本であるから、姿や形は写しませんが「お鏡(鏡餅)」といわれるのです。

諸君!この「お鏡(鏡餅)」のこころを肝に命じて、本来の僧侶の姿である「行学双修のお坊さん」を目指していただきたいものです。

合 掌

別科主任 南 宏信

別科主任 南 宏信

不自由を自由に

佛教大学別科(専修道場)第44期新入生の皆さん、入学おめでとうございます。また2年生の皆さん、去年一年よく耐え抜きました。

時に人生を登山に譬えることがあります。山頂を目指す路には、時間はかかるけれども初心者向きの易しい路もあれば、短時間で登頂できるけれども険しい玄人好みの路などがあります。人生にも各人の目的・習熟度によってその路は複数あります。そして皆さんが選んだ路は後者に近いものでしょう。

ご存知のように別科は2年間の全寮制で、幅広い年齢層の学生が共同生活をします。浄土宗僧侶になるために要する期間が最短なのがこの別科です。ただし、みなさんが当然のように享受してきたこれまでの「自由」な生活とは違い、「 道場しん」に基づく道場生活は早朝の勤行から就寝まで、心身ともに「自由」な時間はほぼなくなります。定められた時間割により、専門科目と関連科目を総合的に学修する「不自由」な生活は、生半可な覚悟では到底耐えられないでしょう。その「不自由」に感じる思いを逆に、「伝統ある「行学双修」の道場生活と総本山知恩院・大本山清浄華院での法務実習を通じて深く広く教養を培いながら実践力を身につける」のだと転換・自覚してください。それを選んだのは皆さんの「自由」なのです。

新入生の皆さんは、1年先を行く先輩のアドバイスを聞き、その後ろ姿をしっかり見て良い所を吸収してください。2年生は不慣れな後輩を、去年の自分を思い出しながら慈悲の心で導いてください。

皆さんは様々な路を選ぶことができる中、2年間で浄土宗僧侶になるために入学してきたのであり、その覚悟を決して忘れないでください。その覚悟はこれから必ず生じる辛い時にきっと力となるでしょう。そして「自分が何のためにここに入学したのか」を絶えず自問自答してください。

道場生活を乗り越えた時には全く新しい世界観が広がっていることを願って。

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