2020年度教育職員研修成果報告会(文学部日本文学科)開催報告
2021.7.29
文学部の濱田泰彦准教授が、教育職員研修制度を利用し、2020年度に実施した国内研修(長期)に関する研修成果報告会を行いました。
報告会では、「天明・寛政期の近世説話集の展開」と題し以下の報告がなされました。
「東西遊記」は、当初、橘南谿(たちばな なんけい)の手元に写本(手控え)として諸国巡遊の記録を遺したもので、日本全国の名所・珍所・伝説を、特段の配列の意識はなしに列挙して公刊されたものです。刊行の目的は、南谿の医学的知見に基づき伝説等を分析するほかに、巡遊中に全国に襲いかかかった飢饉・噴火などの天明の災厄の克明な記録を公表することにあったと思われることが報告されました。
紀行文と奇談集と考証が隣接共存した作品として「東西遊記」は好評に迎えられ、南谿が有していた医学的関心や災厄の記録といった目的こそ継承されなかったものの、寛政期以降の次々と刊行された諸国奇談集の契機となったことが報告されました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、
≪報告会≫
開催日:2021年7月10日(水)16時00分~16時40分
形 式:Zoom
参加者:約20名
≪教育職員研修≫
研修日程:2020年4月1日~2021年3月31日
研修機関:東京・国文学研究資料館
研究課題:近世文芸における「教訓」に関する通史的研究
主 催 佛教大学文学部、研究推進機構
研修先の様子

国文学研究資料館外観

蓬左文庫外観
研究推進部 学術支援課