2019年度教育職員研修成果報告会(歴史学部)開催報告
歴史学部の李昇燁教授、渡邊秀一教授が、教育職員研修制度を利用し、2019年度に実施した海外研修(長期)・国内研修(長期)に関する研修成果報告会を行いました。
李昇燁教授は「日本帝国における「移動」の統制--台湾人の対岸在留禁止の事例を中心に」と題して、戦前日本帝国・勢力圏における人の移動を統制する重要な機制の一つであった「在留禁止」制度について、就中台湾の対岸である福建省で行われた日本人・台湾人(台湾籍民)の事例を、朝鮮・満洲・中国関内での事例と比較して分析した結果を報告しました。
渡邊秀一教授は「Hugh Prince『Real, imagined and abstract world of the past』再考」と題して、歴史地理学3領域論成立の経緯とPrince論文の意義、Real world・Imagined world対Abstract worldという二重構造を指摘したうえで、前者の時間・空間について従前のとらえ方ではなく、分析哲学的なとらえ方が整合的であるとの報告を行いました。
報告会は、第29回鷹陵史学会大会の研究報告の中で開催され、新型コロナウイルス感染症対策としてZoomによるオンライン開催としました。一般の方の参加も可能とし、報告会の時間帯には30名を超える参加者がありました。
≪報告会≫
開催日:2020年9月26日(土)11時30分~12時30分
場 所:Zoomにてオンライン開催
≪教育職員研修≫
<李昇燁教授>
研修日程:2019年4月1日~2020年3月31日
研修機関:台湾・中央研究院 台湾史研究所
研究課題:朝鮮-台湾の相互参照・比較検討を通した日本帝国/植民地政治史の構築
<渡邊秀一教授>
研修日程:2019年4月1日~2020年3月31日
研修機関:立命館大学 衣笠総合研究機構
研究課題:歴史的現在における地理的空間の研究に関する方法論的検討
主 催 佛教大学歴史学部、研究推進機構
李昇燁教授の研修の様子

中央研究院

台湾師範大学・台湾史研究所の招聘講演「朝鮮植民地統治と韓国戦後史の脈絡から考える日韓歴史問題」(2019年10月7日)

台湾師範大学の大学院授業(近藤正己教授「臺灣總督府公文類纂專題研究」)にてゲストスピーカとして講演(2019年12月26日)

国際シンポジウム「跨境與境内」(中央研究院台湾史研究所・漢陽大学比較歴史文化研究所共催)にて報告(2019年10月18日)