第5回 全体研究会(法然仏教の多角的研究) 開催報告
日 時:2025年10月24日(金)16:30~18:00
開催形式:オンライン(Zoom)
参加者 :12名
概要
<研究発表>
発表者:曽和 義宏(研究員)
テーマ:感応思想と『瑞応刪伝』
感応思想とは、中国仏教における救済論の一つの表れであり、仏と衆生の関係性について論じるものである。感応思想においては、衆生の「機」が聖人に働きかけるとされ、その働きかけを「感」とする。聖人は衆生からの「感」を受けて、衆生に対して応現・教化を発動する。これを「応」とする。『往生西方浄土瑞応刪伝』(『瑞応刪伝』)は、その名称の通り西方浄土に往生することを「瑞応」と捉えているが、その「瑞応」がどのような「感」働きかけによって発動したとされているのかを考察した。
<各班進捗状況発表>
【第一部門】 法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対照本作成
個別に作業を進めている。中長期計画における出版予定を2027年に延期する。
【第一部門】 『逆修説法』班 『逆修説法』諸本対照本作成、親鸞筆「法然聖人御説法事」を中心とする本文批判
9月25日(木)、10月2日(木)、10月14日(火)に研究会を開催した。『念仏名義集』および『三経文類』を輪読。次回研究会は10月28日(火)『念仏名義集』、11月11日(火)『三経文類』の予定。
【第一部門】 『選択集』諸本研究班 信重院蔵『選択集』諸本等の調査および研究
各自『選択集』諸本の比較表作成中。大谷大学図書館および龍谷大学図書館への調査準備中。
【第二部門】 『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳・註
『佛教大学法然仏教学研究センター紀要』第12号掲載原稿作成。
【第二部門】 『徹選択集』研究班 『徹選択本願念仏集』の注釈類の翻刻・現代語訳
10月9日(木)に『佛教大学法然仏教学研究センター紀要』第12号の原稿を提出。本年度「Open Research Weeks」の原稿を提出済み。
【第二部門】 『往生要集鈔』関係班 『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照・訓読・現代語訳
『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照作成作業中。本年度中に第一巻の完成目指す。
【第二部門】 中国関係班 『往生浄土伝』解読・現代語訳・文献批判
⑭釈玄詝、⑮釈道譓まで終了。次回は10月28日(金)10:40。
【第二部門】 黒谷金戒光明寺『日鑑』研究班 黒谷金戒光明寺所蔵『日鑑』の調査・翻刻・研究
9月19日(金)、10月3日(金)に研究会を開催して『佛教大学法然仏教学研究センター紀要』第12号掲載の準備を行った。現在は原稿提出済みで、一部解題が未完成。次回は10月24日(金)。
【第三部門】 伝宗伝戒班
聖聡『小経直談要註記』(京大本)の翻刻、現代語訳。6 丁表「私問曰何故」~6 丁裏「此是外書勧信処」まで。次回は10月27日(月)。
以上









