第2回 全体研究会(法然仏教の多角的研究) 開催報告
日 時:2024(令和)年6月28日(金)16:30~18:00
開催形式:オンライン(Zoom)
参加者 :16名
概要
<研究発表>
発表者:青木篤史(嘱託研究員)
テーマ:関東十八檀林における僧侶養成について
江戸時代、僧侶になろうとする者は関東に一八ヶ寺あった「関東十八檀林」での修学が必須条件であった。檀林に入寺した所化はそれぞれの檀林寺院で二〇数年にも及ぶ修学を積み、元祖法然上人より相承される伝法を相承され、一僧侶として全国に散っていったのである。
その中でも檀林寺院における特徴的な修学方法として「九部宗学」がある。1期3年を基本として、第7祖聖冏上人の著作より勉強をはじめ、その次に元祖法然上人、そして善導大師の『観経疏』、最後に世親の『往生論』を学んでいた。そのような長年にわたる修学の中で、それぞれ伝法を相承され退山していったのである。その背景には、幕府の存在が欠かせないものであり、所化は幕府からの様々な法度の下で修学を積んでいたのである。本発表では、そのような修学の概要や幕府からの法度について触れ、時代が下るにつれてどのように変化していったのかについて論じた。
<各班進捗状況発表>
【第一部門】 法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対照本作成
これまでの報告に付加できるものはありません。
【第一部門】 逆修説法班 『逆修説法』諸本対照本作成、古本『漢語燈録』を中心とする本文批判
『法然聖人御説法事』を中心とした諸本比較作業中。
【第一部門】 『選択集』諸本研究班 信重院蔵『選択集』諸本等の調査および研究
各自『選択集』諸本の比較表作成中。谷大龍大図書館への調査準備中。
【第二部門】 『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳・註
「法然仏教学研究センター10周年記念」展示希望典籍検討。『紀要』掲載準備。
【第二部門】 『徹選択集』研究班 『徹選択本願念仏集』の注釈類の翻刻・現代語訳
『紀要』投稿のための論題を提出。
【第二部門】『往生要集鈔』関係班 『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照・訓読・現代語訳
進捗なし。「法然仏教学研究センター10周年記念」展示の際に図録の執筆予定。
【第二部門】 中国関係班『往生西方浄土瑞応刪伝』訳注
研究会開催。『瑞応伝』第27沙弥二人・第28童子何曇遠まで。
【第二部門】黒谷金戒光明寺『日鑑』研究班 黒谷金戒光明寺所蔵『日鑑』の調査・翻刻・研究
研究会開催。撮影の準備。
【第三部門】 伝宗伝戒班
聖聡『小経直談要註記』(京大本)の翻刻、現代語訳。研究会開催。
以上