佛教大学総合研究所共同研究公開シンポジウム 「子どもたち自身が話し合う「国連子どもの権利条約」」を開催
<プログラム>
開催日:2024年3月30日(土)16:00~18:00
場 所:キャンパスプラザ京都 第4講義室
主 催:佛教大学総合研究所共同研究プロジェクト「新型コロナ感染下における子どもの権利擁護」(研究代表 武内 一 社会福祉学部教授)
参加者:33名
内容:
1.趣旨説明 「新型コロナウイルス感染症と子どもたちへの影響を振り返りながら子どもの権利対話への取り組みについて」研究代表 武内 一 社会福祉学部教授
2.子どもたちによる「子どもの権利対話」実施報告と提言
・第24条 健康・医療への権利、第27条 生活水準の確保について
たかつかさ児童館(京都市)の子どもたち2名による報告発表
・第6条 生きる権利・育つ権利、第28条 教育を受ける権利、第29条 教育の目的について
こころスマイルプロジェクト(宮城県石巻市)の子どもたち2名による報告発表
・第3条 子どもにもっともよいことを、第12条 意見を表す権利について
梟文庫(京都市)の子どもたち2名による報告発表
・子どもたちによる質疑応答
3.発表内容のまとめ
研究代表 武内 一 社会福祉学部教授によるまとめ
4.報告してくれた子どもたちへの感謝状の贈呈式
佛教大学総合研究所共同研究プロジェクト「新型コロナ感染下における子どもの権利擁護」(研究代表 武内 一 社会福祉学部教授)において、2022年から2023年にかけて国内13箇所で「国連子どもの権利条約」の条文を当事者である10~18歳の子どもたちが話し合いをして、権利を前に進めるための政策提言をまとめました。「子どもの権利条約」(CRC)は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約で、前文と本文54条からなり、子どもの生存、発達、保護、参加という権利のために必要となる具体的事項が条文で示されています。1989年11月20日 国連総会にて採択され、世界196の国と地域が批准しています。日本は、1994年5月、158番目に批准しました。
今回、宮城県石巻市から2名、京都市2箇所から4名の子どもたちが集まり、話し合いの様子を報告してくれました。
石巻の子どもたちは第6条と28・29条を、京都の2グループの子どもたちは、第24条と27条および第3条と12条をそれぞれ話し合い、政策への提言を行なってくれました。以下に提言内容のいくつかを示します。
第3条(子どもの最善の利益)では、そもそも「子どもの権利条約」(CRC)を子ども自身、知ることができるよう学校で保障すべきだ。また、第6条(生存・発達権)では、ライフジャケットやヘルメット着用の法制化をする。第12条(意見表明権)では、学校や社会に子どもの声を聞く場を作るべきだと求めました。 第24条(健康・医療への権利)では、コロナ流行時の病院の受診のしやすさの確保やヤングケアラーへの支援を求めています。第27条(生活水準の確保)では、安心して暮らせる年金や給付型奨学金などを提案しています。第28・29条(教育を受ける権利)では、子どもたちは教員の事情を気に掛けていて、教員へのケアや役割分担の工夫とクラスの少人数化を求めていました。
子どもたちの発表だけでなく、子どもたち相互のやりとりも充実していて、Research with children(子どもたちと共行う研究)のよき成果を示すことができました。

「子どもの権利対話」実施報告と提言

「子どもの権利対話」実施報告と提言

発表内容のまとめ



感謝状の贈呈


