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第3回研究会開催報告(法然仏教の多角的研究)

2022.10.3

日  時:2022年10月3日(月)12:50~14:20

開催形式:オンライン開催(Zoom)

参加者 :13名

概要

<研究発表>

発表者:服部純啓(嘱託研究員)

テーマ:『決定往生集』第五「修因決定」に見る相発心の解釈

『決定往生集』において菩提心に関する論述は、第五「修因決定」の二番目の項目である「別明菩提心」に見られる。そこでは、吉蔵『観経義疏』や慧遠『無量寿経義疏』等に基づき、菩提心が往生の正因だと位置付けている。珍海は、その正因となる菩提心を、『大乗義章』に説示される「相発心」であると定義し、その中には「厭有為心」、「求無為心」、「度衆生心」という三つの心が含有しているとの理解を示している。

 「別明菩提心」では、世俗常没の凡夫に「相発心」を対応させ、その最初の段階が凡夫の発す菩提心であると解釈する。その中、「相発心」に含有すると示す三種の心について珍海は、娑婆世界を厭い浄土を求めることを「厭有為心」と解釈するとともに、浄土を求めることがとりもなおさず、覚りを求めることであるとして「求無為心」にも対応させている。また、「度衆生心」に関しては願往生心と同一視する作願仏心に配当していることが明らかとなった。今後、より詳細な珍海の菩提心理解について検討を進めてゆく。

<各班進捗状況発表>

【第一部門】法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対照本作成

これまでのリーダー不在のため新たな体制の思索中。


【第一部門】 逆修説法班 『逆修説法』諸本対照本作成、古本『漢語燈録』を中心とする本文批判

出版に向け原稿と昨印の見直し作業中。

【第一部門】 『選択集』諸本研究班 信重院蔵『選択集』諸本等の調査および研究

資料収集を終え、各個に比較作業中。

【第二部門】 『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳

巻中について『法然仏教学研究センター紀要』第9号掲載原稿作成作業中。

【第二部門】 『徹選択集』研究班 『徹選択本願念仏集』の注釈類の翻刻・現代語訳

巻上前半の訓読・現代語訳作業。『法然仏教学研究センター紀要』第9号に掲載予定。

【第二部門】 『往生要集鈔』関係班 『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照・訓読・現代語訳

引用文献の調査と訓読・現代語訳作業中。

【第二部門】 中国関係班『瑞応伝』

僧崖伝まで読了。

【第二部門】 黒谷金戒光明寺『日鑑』研究班 黒谷金戒光明寺『日鑑』の調査・翻訳・研究

寛永5年末〜6年正月分が終了。資料の撮影を業者に依頼する予定。

【第三部門】 伝宗伝戒班 『真葛伝語』諸本蒐本および教理的根拠の探索

新たな課題策定のため各個に研究中。

以上

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