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高知県立坂本龍馬記念館学芸課長 前田 由紀枝さん

(文学部人文学科日本史コース(通信教育課程)2012年卒業)

忙しい仕事の合間の学び直しが、刺激や息抜きに

坂本龍馬記念館在職中に佛教大学へ

 高知県立坂本龍馬記念館の学芸課長を務める前田由紀枝さんは、同館で働き始めて2年後の2006年、佛教大学の通信教育課程3年次に編入学した。佛教大学を選んだ一番の理由は、幕末史が専門の青山忠正先生が在籍していたためだ。
 「記念館の仕事は、非常に尊敬していた方に誘われて、面白いかなという気持ちがあったのでお受けしました。しかし、日本史が専門だったわけではなく、一度キチンと学びたいという思いを持っていました」
 坂本龍馬は全国的に名前が知られ、高知にとっては身近な存在。ファン層は広く、厚い。その人物を検証し、発表していかなくてはならない。誘いを受けた時も「不勉強な自分がやっていけるだろうか」と不安を抱いていたという。

高知から夜行バスでスクーリングに通う

 社会人学生の生活が始まったものの、記念館がさまざまな企画展や新しい事業を実施した慌ただしい時期に重なり、特に最初の2年間はスクーリングに行くだけで精いっぱいだった。「仕事を終えて夜行バスに乗り、朝7時に京都に着いて9時からの授業を受け、夕方またバスに乗って夜中に帰宅。そして、次の日も仕事でした。ひどいときは、帰宅した翌日から1週間の出張ということもありました」と振り返る。
 大学で先生の話を聞き、学校の雰囲気を味わう時間は息抜きになり、若い友達との交流で刺激も受けた。「振り返ってみると、私が学び直した年代は、人生の過渡期だったと思います。その時に大学生になり、多忙を極めた状況でも大学を離れなかったことは自分自身の自信になりましたし、学ぶ姿勢や人生の姿勢につながったと思います」

「龍馬は興味深い人物」

 前田さんにとって、坂本龍馬はどんな人物なのだろうか。「面白い人ですね。非常に多面的で、興味深い。死後150年以上たっているのに、こんなにも多くの人に慕われている人は珍しいです。人生に行き詰まった若者が、龍馬像を前に『頑張って生きよう』と決意したという話も知っています」と語る。
 前田さんは、龍馬だけでなく坂本一族の歴史も発信する。昨年12月~今年4月、記念館で特別展「龍馬と北の大地」第2部「北海道で〝龍馬〞生きる―チョッコウさん再び」が開催された。北海道の開拓農民だった坂本直行を中心とした内容だ。彼は、龍馬のおいの孫に当り、製菓会社「六花亭」の包装紙を描いたことでも有名だ。記念館は2006年にも坂本直行に関する特別企画を開催、今回は特別展という形で再開催した。前田さんは「記念館に来て、坂本直行をはじめ、坂本一族に非常に興味を持ちました。最近、テレビ番組など多方面で取り上げられることになり、そのお手伝いもしています」と話す。
 最後に、佛教大学の後輩へのメッセージをいただいた。「くじけそうになっても諦めてはいけません。学問に終わりはありません。学び舎をベースにして、自分自身の人生を切り開いていくことはとても重要なことだと思います」

前田 由紀枝(まえだ ゆきえ) 高知市生まれ。神戸学院女子短期大学文芸科卒業後、朝日新聞高知支局勤務や公立中学校教員を経て、2004年に高知県立坂本龍馬記念館主任(学芸員)。2014年から学芸課長を務める。在職中の2006年、佛教大学通信教育課程文学部人文学科日本史コースに3年次編入学し、2012年に卒業した。卒業論文の題目は「家族の肖像~坂本龍馬をめぐる子孫たちの物語~」。

(2022.7)

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