47歳で通信教育課程への進学を決意 高校教員になる夢を新たに得る
学部 | 通信教育課程 社会学部 |
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学科 | 現代社会学科 |
学年 | 4年生 |
氏名 | 加村 友多さん |
娘の進学サポートがきっかけ
「働きながら、大学で学ぼう」。当時47歳の加村友多さんは決意した。2018年、高校2年生だった長女が進路について悩み始め、大学について調べるうちに自分が進学したくなったのだ。「通信制大学というものがあると初めて知りました。自宅でテキスト中心の学習ができるのは魅力的。専門学校卒だったので、大学を出たいという気持ちがありました」
加村さんは中学生の頃からアマチュア無線やコンピューターを趣味とし、進学した京都市内の専門学校ではファクトリーオートメーションを専攻。卒業後も主に電気制御設計の仕事を続けていた。
しかし、進学先は社会学部を選んだ。「面白そうだなと思って。仕事は技術職ばかりだったので、どうせ学ぶのなら違う分野がいいと考えました」。長女が京都の大学に関心を持ち、加村さん自身も京都の学校の卒業だったため、京都の大学を中心に調べていた。結局、社会学部のある佛教大学通信教育課程への入学を決め、専門学校卒業を入学資格として2019年4月に3年次に編入した。
今、勉強する喜びを感じている。「知らなかったことを知ることができるのが楽しいですね。そして、それを知った上で文章を書くのが楽しい。大学に入って分かった楽しさです」
派遣社員として働き、ヒエラルキーを感じた
社会学に関心を持ったのは、自身の経験からだ。若い頃、大手総合機械メーカーでロボット開発などのものづくりに携わりたいと考え、派遣社員として働いた。「専門学校卒で正社員は難しいですよね。そのため、希望をかなえるために派遣社員になりました。派遣先では、正社員と同じ服を着て、同じ机で、同じ仕事をしたのですが、目に見えないヒエラルキーの存在を感じました。こうした社会の矛盾に、ずっと関心を持っていました」。長女が2〜3歳の頃、平日の昼間に公園に連れて行くと他にお父さんの姿はなく、不思議に感じたこともある。「社会学を学んで世の中の仕組みがだんだんと分かってきたように思います」と話す。
大学では学友会の神戸・丹波支部の支部長を務め、学習会などの活動に励む。「進学するまで人との交流は会社組織の中だけでしたが、今は学校という新しい社会を見つけたと感じています。年齢層も幅広いのですが、フラットに話ができる仲間です」
学生生活のもう一つの楽しみは、スクーリングなどで京都に行くことだ。長女も京都市内の大学に進学し、京都で暮らす。「娘の家に行って、同じ大学生目線で議論することもあります」とうれしそうに話す。
加村さんは現在、高校情報科の教員になるという新たな夢に向かっている。「変化の早い今の社会では、自分自身のスキルを常にアップデートしなくてはなりません。自学自習の能力を各個人が身に付ける必要があります。その手助けをしたいと考えました」。加村さん自身も、オンライン授業のスキルを身に付けようと自宅にビデオスイッチャーやミキサー、動画作成ソフトなどをそろえ、楽しみながら発信の練習をしているという。「充実しています」。そろえた機材を前に、加村さんは笑顔でそう話した。
(2021.12)