第3回 全体研究会(法然仏教の多角的研究) 開催報告
日 時:2025年6月27日(金)16:30~18:00
開催形式:オンライン(Zoom)
参加者 :15名
概要
<研究発表>
発表者:服部純啓(嘱託研究員)
テーマ:珍海浄土教における三界の摂不摂
珍海(一〇九二~一一五二)撰『決定往生集』(一一三九)の第一「依報決定」では、極楽が十方浄土の中で事相麁浅の最下品土であると定義している。これは浄影寺慧遠と吉蔵に依ったものである。その上で珍海は曇鸞と道綽の名をあげ、自身の極楽観を補強している。このような珍海の極楽観は、先行研究において慧遠と吉蔵に依ったものであると指摘がなされている。本発表では、珍海が極楽を輪廻の境涯である三界の内にあると解釈しているのか否かという点に注目し考察を行った。
<各班進捗状況発表>
【第一部門】 法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対照本作成
個別に作業を進めている。
【第一部門】 『逆修説法』班 『逆修説法』諸本対照本作成、親鸞筆「法然聖人御説法事」を中心とする本文批判
6月26日(木)に研究会を開催。『浄土三経往生文類』輪読中。次回は7月18日(金)に研究会を開催予定。
【第一部門】 『選択集』諸本研究班 信重院蔵『選択集』諸本等の調査および研究
各自『選択集』諸本の比較表作成中。大谷大学図書館および龍谷大学図書館への調査準備中。
【第二部門】 『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳・註
「巻中」訓・註・現代語訳の再検討。「巻下」訓・註・現代語訳。『紀要』掲載準備中。
【第二部門】 『徹選択集』研究班 『徹選択本願念仏集』の注釈類の翻刻・現代語訳
巻下3分割のうち第2の訓読・現代語訳・注の作業中。
【第二部門】 『往生要集鈔』関係班 『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照・訓読・現代語訳
『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照作成作業中。
【第二部門】 中国関係班 『往生浄土伝』解読・現代語訳・文献批判
⑧釈玄明、⑨沙門顗晶まで終了。次回は7月9日(水) 14:30~に研究会を開催予定。
【第二部門】 黒谷金戒光明寺『日鑑』研究班 黒谷金戒光明寺所蔵『日鑑』の調査・翻刻・研究
6月6日(金)、6月26日(木)に研究会を開催して紀要掲載の準備を行った。次回は7月11日(金)に研究会を開催予定。
【第三部門】 伝宗伝戒班
聖聡『小経直談要註記』(京大本)の翻刻、現代語訳。6 丁表「私問曰何故」~6 丁裏「此是外書勧信処」まで。
以上