第4回公開研究会開催報告(多死社会を見据えた社会的共通資本の向上による地域共生社会の創造を目指した人材育成プログラムの検討)
日 時:2025年6月9日(月)16:00~17:30
会 場:二条キャンパス N1-209教室
参加者:32名(Zoom参加含む)
テーマ:パンデミック下における面会制限のELSI的課題と、affectiveに配慮したリスクコミュニケーションモデルとは
講師:福永憲子氏 岡山商科大学法学部博士研究員
今回は、「パンデミック下における面会制限のELSI的課題と、affectiveに配慮したリスクコミュニケーションモデルとは」をテーマに、岡山商科大学博士研究員の福永憲子氏にご講演いただき、意見交換をしました。
多死社会では、患者や家族に「つながり」を感じさせられるコミュニケーションが求められます。パンデミック下における面会制限の中、患者とその家族が孤立感を抱かないための「リスクコミュニケーションモデル」についてお話を伺い、これからの多死社会に向けた課題や最善の社会システムの在り方について、様々な示唆を得ました。
テーマにもある「ELSI」とは、倫理的(Ethical)、法的(Legal)、社会的(Social)な課題(Issues)の頭文字をとったもので、科学技術の進歩に伴い社会に生じる様々な問題を指しますが、Covid-19のパンデミックによって、感染予防という名の下に、様々な人との交流が制限され、社会インフラも変革を余儀なくされました。それらの変革や制限といったものが果たして本当に「感染予防・クラスター発生予防」に効果があったのか、それによる弊害とのバランスはどのようなバランスであったのか、といった事について詳細な調査研究データから、現在まで続く様々な課題が提示されました。
本研究チームでも、これらの課題を改めて論理的に理解する事によって、今後のあるべき社会システムや教育の在り方について示唆を得ることができました。