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第五回研究会開催報告(法然仏教の多角的研究)

2019.11.11

日時:20191111日(月)14301600

会場:紫野キャンパス 15号館3階 第6会議室

概 要

<研究発表>

発表者:武田真享( 嘱託研究員)

テーマ:「聖聡『厭穢欣浄集』の翻刻と関連文献の整理」

 浄土宗第八祖であり、増上寺の開山としても知られる大蓮社酉誉聖聡(一三六六―一四四〇)は、七祖酉蓮社了誉聖冏(一三四一―一四二〇)が作り上げた、浄土宗独自の伝法である「五重相伝」の制度を継承し発展させたと同時に、大変多くの著述を遺したことで知られている。その中でも『厭穢欣浄集』は、師である聖冏が寂した直後という、聖聡教学を窺い知る上で重要な時期に執筆されている。しかし、先行研究も限られており『浄土宗全書』等にも収録されていないことから、今回翻刻作業を行った。

 『厭穢欣浄集』は聖聡が、念仏往生の安心、中でも総安心である「厭離穢土欣求浄土」を、初学者に理解しやすく、因縁、比喩を加えて著した書であるが、その引用文献の多くは、当時広く読まれていたであろう伝記や説話集、和歌集といった文学書が用いられている。師である聖冏は、文学、神道、和歌にまで精通していたとされるが、聖聡も例外ではなかったものと考えられる。今回の発表では、「厭離穢土」の中、興味深い説示の多かった「人道」の解説箇所を示しながら、引用文献等の整理を行ったが、仏教書以外に、『古事談』、『白氏文集』、『林間録』、『蒙求』等からの引用がみられた。中でも、同じく『往生要集』からの影響を受けて著された『宝物集』からの引用が最も多くみられた。また、王昭君の故事の引用例の検討から、聖聡が『宇津保物語』を読んでいたであろうことを指摘した。

また、聖聡の三部作と言われる『大経直談要註記』、『小経直談要註記』、『當麻曼陀羅疏』の中に用いられる因縁や比喩が、本書の中にも多くみられたことも、聖聡教学を知る上で重要であるといえる。今回は本書の翻刻作業と引用文献の報告にとどまったが、以降、これら三部作への反映についても体系的に捉えていきたい。

 そして、本書は「念仏往生の安心を記した書」であるとはいえ、「老苦」の最後には『往生礼讃』の「各聞強健有力時」の句を用い、「死苦」の最後には『大智度論』に述べられるような平生の重要性を説く等、各章段の末尾には、起行への含みをもたせていた。本書の結びでは、起行と作業について言及したのち、「但し三心四修五念、皆南無阿弥陀佛なる口傳あり。くわしく知れば但南無阿弥陀佛。」と締めくくられるが、このような、単信口称念仏に行き着くという立場を明確にしている点も、伝法制度を確立した聖聡らしさが現れているのではないかと愚考する。

2、各班進捗状況発表

【第一部門】法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対象本作成

前回より二回の研究会を開催。善先生訳の「東大寺十問答」第8問答までの確認作業を終了している、と報告。

【第一部門】法然文献班 桑門秀我『選択本願念仏集講義』現代語訳

出版にかかる再校作業中であることを報告

【第一部門】『逆修説法班』 『逆修説法班』諸本対象本作成、古本『看護燈録』を中心とする本文批判

前回より一回の研究会を開催。五七日後半部分の二回目の訳注見直し修正作業中であることを報告。

【第一部門】『選択集』諸本研究班 信重院蔵『選択集』諸本等の調査および研究

前回より一回の研究会を開催。今後の方向の打ち合わせと、データ化したものの印刷作業と校異を進めることを報告。

【第二部門】『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳

10月終了段階で、巻中14丁表7行まで終了していることを報告。

【第二部門】中国関係班 道綽『安楽集』解読・現代語訳・文献批判

前回より四回の研究会を開催。第三大門の見直し作業を継続している、と報告。

【第三部門】伝宗伝戒班『真葛伝語』諸本蒐集および教理的根拠の探索

研究会としては開催していないが、出版にかかる『真葛伝語』の原文翻刻の校正チェック状況を報告。

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