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法然仏教学研究センター講演会開催報告

2016.7.9
日時:2016年7月9日(土曜) 13:30~16:00
会場:紫野キャンパス 常照ホール(成徳常照館)
来聴者:168名
講題:法然思想に関する私見
講師: 松本史朗(駒澤大学仏教学部教授)


 
講演に先立ち、本庄良文センター長より挨拶ならびに講師紹介がなされた。
 
講演は、法然上人の思想を理解する上で重要なこととして、浄土門の中に「自力」と「他力」を区別・強調する主張は、法然の立場でない、ということと、諸行往生をわずかではあるが認められるということを柱にすえ、文献を紹介しながら論証された。
善導は『観経疏』で「自力・他力」の語を使用せず、法然は『選択集』で「自力・他力」の語を曇鸞の『往生論註』からの引用で一度しか使用していないことに意義を見出し、善導・法然は「自力・他力」の使用を意識的に避けたと述べ、法然の著作に「自力・他力」を区別する主張があれば真偽を問題視すべきとされた。また、他力説・一念義・造悪無碍説は、如来蔵思想の展開とされ、法然・弁長はこれを否定する立場であると結論された。
諸行往生は、念仏→決定往生、余行→往生不定という『選択集』の記述について、不定は往生が不確定であることを示し、否定しているのでないと述べ、本庄良文説を引用しつつ、仏教の核心である「因果」つまり「縁起」を否定することはありえない、と提示。
聖道門を否定し諸行を否定し念仏を「ひとりだち」させる傾向は法然門下に一念義・他力主義として生じたであろうが、それらを批判した弁長・良忠という系統に、法然の思想が正しく継承されたと考えている、と結論された。
 
質疑応答では、多くの質問に応えつつ、講演中に言い足りなかったことなども含めてお話しされ、時間通りの終了となった。
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