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第3回研究会開催報告(法然仏教の多角的研究)

2016.6.17
日時:2016年6月17日(金曜)13:00~14:30
会場:紫野キャンパス 鹿渓館1階 第1会議室
参加者:18名
        
概 要
<研究発表>
発表者:角野 玄樹 嘱託研究員
テーマ:『選択集』第十五章における護念文解釈について
 
本発表では、『選択集』第十五章における、法然の護念文解釈について検討した。また、その前提となる鳩摩羅什訳『阿弥陀経』護念文自体の分析も行った。
 まず、羅什訳『阿弥陀経』護念文の分析・教理構造の検討である。
 すなわち、六方諸仏の証言(証誠)の要素が、同経において配置される必然性について指摘した。
 また、宮元啓一氏は、大乗仏教の波羅蜜や誓願などの、なにがなんでも守り通すという、「サッティヤ(satya)」の力、つまり、真実のことばの力により、彼岸に渡ったり、誓願を成就していることなどを指摘される〔宮元啓一氏「菩薩と真実(satya)―大乗仏教の起源をめぐって―」(『印度哲学仏教学』一七、二〇〇二年十月)〕。
 この同氏の見解を参考にして、『阿弥陀経』の護念とは、諸仏による、仏教の教えを真実ならしめる力・はたらき、あるいは、仏教の法則上の実現化・必然化するまでの力・はたらきと推測した。つまり、『阿弥陀経』の教えが真実で、必然化するなら、無論、それは必然的に実現するのであり、その間、当然、邪魔が入って同経の教えが頓挫することはない。この実現化の力・はたらきにより、邪魔から行者を護念・守護するということである。
 このように『阿弥陀経』護念文の分析をし、次に『選択集』護念文解釈について、下記の数点の問題を提起した。
(1)『選択集』第十五章における念仏の護念の導出
(2)同書同章で、『阿弥陀経』の諸仏以外にも護念があることを示す理由
(3)護念の様相
これら3点ほどの問題を検討し、それぞれ解決をはかった。
〔付記〕
 今回のこの小生の愚論に対して、数々の厳しいご批判及び、様々なご助言を賜りました。ご批判・ご助言下さった方々に、厚く御礼申し上げます。


<各班進捗状況報告>
【第一部門 法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対照本作成】
発表者:角野玄樹嘱託研究員
前回から2回の研究会を開催。伊藤訳の検討作業を進行中。
 
【第一部門 法然文献班 桑門秀我『選択本願念仏集講義』現代語訳】
発表者:本庄良文研究員
上野嘱託研究員との分担と公表作業の見通しを報告。
 
【第一部門 『逆修説法』班 『逆修説法』諸本対照本作成、古本『漢語燈録』中心とする本文批判】
発表者:岩谷隆法嘱託研究員
前回からの研究会はなし。現在六七日部分の3分の2を残すのみという状況。
 
【第二部門 『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳】
発表者:米澤実江子嘱託研究員
『摧邪輪』寛永版の書き下し、付註、現代語訳作業を順次進行中。
 
【第二部門 門下班 門下研究目録作成】
発表者:伊藤真宏研究員
各自で分担している、論文目録入力作業を順次進めている旨を報告。
 
【第二部門 『往生要集鈔』関係班 『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照・訓読・現代語訳】
発表者:南宏信嘱託研究員
現状の作業(複数文献の比較)を維持し継続していることを報告。
 
【第二部門 中国関係班 道綽『安楽集』解読・現代語訳・文献批判】
発表者:永田真隆嘱託研究員
前回からの研究会はなし。ここまで49回開催。ページレイアウトソフト導入の手続き完了を報告。
 
【第三部門 伝宗伝戒班 『真葛伝語』諸本蒐集および教理的根拠の探索】
発表者:高津晴生嘱託研究員
前回から1回の研究会を開催。「第二都部伝」について、その名称、内容を確認。

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