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佛教大学臨床心理相談室 こころのコラム⑥

2021.7.8

突然ですが、昨年私はあるきっかけでメダカを飼うことになりました。その中で痛感したのが、生き物にとって変化に対応していくことはとても大変なんだな、ということでした。

メダカの飼育で最も大事なのが、水質の安定です。水質を安定させるためには、悪い細菌を分解し水を綺麗にしてくれるバクテリアが、適度に存在していることが重要です。このバクテリアによる濾過を"生物ろ過"と言います。

生物ろ過が機能していない水槽は、変化に弱いです。メダカの糞等から発生する毒素が増殖しやすく、水槽の水換えや掃除には慎重さが求められます。一方、生物ろ過が機能している水槽は、バクテリアがメダカにとって良い環境を自然と整えてくれるため、変化に強く、その影響もマイルドになります。

私も、生物ろ過が完成するまでの数ヶ月は、水換え等のわずかな変化が、メダカに大きなダメージとなりとても苦労しました。(本当は、生物ろ過が完成してから生体を入れるのが良いそうです)

さて、人間の世界に目を移しますと、今の状況というのは、メダカの例で言えば"生物ろ過"が機能していない状態と言えるのかもしれません。感染予防のため、私たちの生活から"不要不急"なるものは排除されてきました。しかし、水槽の目に見えないバクテリアの働きと同様に、私たちの生活が、普段当たり前だった些細なことに支えられていたのだと、この一年で実感された方は多いのではないでしょうか。私自身も、例えば、職場の昼食時の雑談や、たまに行っていた卓球大会等が、実はとても大事だったんだなと、実感しております。

"生物ろ過"が機能していないと、少しの変化にも過敏になります。長期間ストレスに晒されると、人間は気持ちの浮き沈みが大きくなり、心身に不調が生じやすくなると言われますが、現在の私たちは、そのようなリスクがより高い状態にあるのかもしれません。

今後ワクチン接種が進み、仮にコロナが収束に向かうとしても、それも一つの大きな変化です。水換えで綺麗な水を入れることもメダカにとってリスクとなるように、どのような変化でもそれに対応していくことは、大変なのでしょう。

緊張感の強いられる日常が続く中で、いつの間にか置き忘れられてきた、目に見えない大事なものがあるかもしれません。生活の中の、ちょっとしたゆとりや"間"を大事に、自分の中の自然なバランス感覚を保って、なんとかこの現状を乗り越えていきたいですね。

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