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佛教大学臨床心理相談室 こころのコラム③

2020.9.25

つい先日、とてつもない首と肩の痛みに襲われ、急いで近所の整体院に駆け込んだことがありました。診てもらったところ、長年の姿勢の悪さと運動不足から、首と肩だけでなく全身に痛みが派生していることが判明。

整体の先生からは、しばらくの通院と並行して、日常で気を付けるべき習慣を二つほど指導されました。早くこの痛みから解放されたかった私は「他にやることはないですか?」と聞きました。もっと素早く痛みを取る方法を教えて欲しかったのです。

すると、「なんでもかんでも一気にやると、どれも中途半端になります。まずは一つ一つ、できることから取り組んでいきましょう」と先生。何でもない、当たり前のことを言われただけなのですが、私は(これっていまを生きる私たちに言えることかもなぁ)と、ふと思ったのです。

新型コロナウイルスの影響は凄まじいもので、私たちの生活をことごとく変容させました。変容せざるを得なかった、という方が正しいでしょうか。その変容に適応しようと、たくさんの人が精いっぱい毎日を送ってきたと思います。

そんな日々は今でも続いていますが、仕事・学校・子育て・趣味...今まで"ふつう"にできていたことが、どうにもうまくいかないと感じます。どうにかして立て直そうとするのだけれど、どこをどう立て直したらいいのか自分でも分からなくなっている人もいるのではないでしょうか。

そのような時に、先ほどの先生の言葉を思い浮かべます。

一つ一つ、できることから、取り組んでいく。

これまでの日々を変容させるほどの影響を与えられているのですから、すぐに全てを元通り、というのはなかなかに困難です。まずは手をつけられそうなことから、少しずつ、自分が納得できる形におさめていく、というのはどうでしょうか。そうして一つ一つ手をつけていくうちに、ふと気づいたら「なんだかしっくりくる」という実感があると思います。

つい"大変さ"に気を取られてすぐに解決策を求めがちですが、まずはできることから一つ一つゆっくり取り組んでいくことが、いまこの時に必要なことなのかもしれません。

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