留学体験記
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留学期間 | 2018年9月~2019年6月 約10ヵ月 | 留学先 | ホーチミン市外国語情報技術大学(ベトナム) |
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学部 | 文学部 | 学科 | 日本文学科 |
学年 | 2年生 | 氏名 | 匿名 |
短期交換留学を振り返って
一度目の就職後、教師として見聞を広げるための「留学」という選択
高校卒業後に一度就職し、体を壊して退職したその次の年に佛大に入学。この留学に踏み切ったのは、教師を目指す自分の見聞を広げたかったというのが大きな理由ですが、一度は就職してあきらめた海外生活や、語学学習、そういった諸々を体験できるチャンスを手にしたからでした。留学先にベトナムを選んだのは、「世界の言葉と文化」という授業で、ベトナムの価値観、人間性や文化に強く惹かれたというのがきっかけです。ベトナム語を学び、多文化の中で自分の常識を覆したいという思いから志願しました。

留学中の旅行先、フックアンで友人の親戚一同との宴会

ホーチミン市内
宿舎での生活
部屋は宿舎の6階に決めました。もともと私は物を多く持たない上、留学ということもあって荷物はさらに少なく、備え付けのタンスに物を片付けてしまえば殺風景になりましたが、私の核となる書籍だけは机に山積みでした。留学初日、飛行機に緊張して目が冴えていたため、スーツケースから三島由紀夫を引っ張り出して読んだことを今でも覚えています。部屋に虫が入ってくることもありましたが、予想していたほど悩まされはしませんでした。いずれにせよ、いざという時に重宝するので、日本からの虫グッズは持参した方が良いと思います!

マンツーマン、レベルの高い授業
授業は、毎週月曜日から金曜日までの5日間、日によって時間はまちまちですが、大体昼の2時から5時まであります。毎日違う先生について習い、レベルの高い授業かつ完全マンツーマン指導で、確実に知識が増えていくのを感じました。学費が免除されている交換留学生とはなんと恵まれた身分なのかと毎回恐縮して授業を受けていました。
ベトナムの食事
食べるものとしては麺が多かったです。麺類は全部「フォー」ではないのかと思っていましたが、どれも名前が異なり店によって味が違うのも興味深いです。スーパーで売られているインスタントの麺類やパンを買ったり、たまに自炊で親子丼を作ったりしました。

ここは初めてブンチャーを食べたところ。この店を教えてもらって以来、ブンチャーが食べたくなったらここに来るようにしていました。一人で座っている人もいるので、あまり気後れせずに飛び込むことができます。

大学前のパン屋さんで買ったbinh mi。初めて一人でこのパンを買ったとき、拙いベトナム語で話しかけたのですが、店の主人はぼったくることもなく、私に親切に値段を提示してくれました。苦手なパクチーを入れないでくれと頼んだり、ここの学生か?と尋ねられたりしているうちに通うようになりました。とても美味しく、昼ごはんはたまにここで済ませるようになりました。

異国での生活、人生を見つめ直す時間
この留学で考え直す時間を得られたことが私にとって留学最大の恩恵でした。留学期間中、私はさまざまなものと心地のいい距離を得ることができました。家族との距離、友人との距離、そして日本との距離。さらに、私は人生に対してそれを行うことができました。高校卒業後、10年がかりの私の夢は半年足らずで折れました。その一方で学問は強く、遥か昔から人々が積み上げてきた途方もなく大きな塊、そこに人間がひとり寄りかかったところでびくともしない。学問との出会いは佛教大学なくしてありえなかったと思っています。
教員として見聞を広げるために留学を決意しましたが、帰国後の今、人生の目的は「教師になること」ではなく「勉強し続けること」になったと感じています。
何はともあれ、大学間の文化交流、語学研修もとても有意義でしたし、それらのおかげで私はまた挑戦することができます。ありがとうございました。
