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法然仏教学研究センター開設記念シンポジウムの開催について(報告)

2014.7.19

日時:2014年7月19日(土曜) 13:30~16:00
会場:紫野キャンパス 常照ホール(成徳常照館)
来聴者:203名


テーマ「源を尋ねる意義―いま、なぜ法然仏教学なのか―」

【第Ⅰ部】法然仏教学研究センター開設の意義

 開設の経緯  山極 伸之(佛教大学法然仏教学研究センター長・学長)
 研究の内容  本庄 良文(佛教大学法然仏教学研究センター研究員・佛教大学教授)

【第Ⅱ部】トークセッション「法然仏教学研究センターへの期待」

 ゲスト 内田 樹(神戸女学院大学名誉教授)
 ゲスト 釈 徹宗(相愛大学教授)
     山極 伸之(前掲)
     本庄 良文(前掲)
 コーディネーター 曽和 義宏(佛教大学法然仏教学研究センター研究員・佛教大学准教授)


第一部では、山極伸之センター長が、まず、センター開設の経緯を説明した。2012年の佛教大学開学100周年に当たり、10年後の大学像を示した「佛大Vision 2022」で、大学の使命に即した特定研究を推進するために、この研究センターの設置を明示したこと、それは仏教精神を建学の理念とし、法然上人の教えを大学設置の根幹とする佛教大学にとって極めて重要な意味を持つこと、大学の使命が教育・研究・社会貢献であり、優れた教育を展開するにはその基盤の研究の充実が必要であることを説明。それらの推進のためにも、この研究センター開設は、世界初の、佛教大学だけが成し得る取り組みであると宣言、法然仏教学の神髄を世界へ発信すると語った。

次に、本庄良文研究員が、センターにおける研究内容と方向性を説明した。「法然仏教」という言葉は、法然が、当時の世界宗教であった仏教を隅ずみまで正しく理解し、結論として凡夫が浄土に往生するには、浄土宗以外に道はないと論証されたことを、言い表す。つまり、法然が仏教全体を深く探求して築き上げられ多方面に影響を与え続けている法然思想の巨大さ、普遍性を象徴したものであると語り、今後、多角的に様々な研究を視野に入れつつも、端緒であり、文献研究が中心と説明。全体の組織を班に分け、班長を設けてゆるやかな独立性を確保したのが特徴とした。また、今までに現代語訳がなされていないものについては、その作業が急務と位置づけた。設置の班などの詳細は、「活動趣旨と研究体制」参照。

第二部のトークセッションでは、内田樹、釈徹宗、山極伸之、本庄良文、曽和義宏各氏が揃って登壇。
初めて来学した内田氏に大学の感想を求めると、内田氏は、ミッション系大学のあり方として、佛教大学では、大きな門を入ると鐘楼があり、正面にお寺の本堂のような礼拝施設があるのがよい、と述べ、きれいで立派な鉄筋の建造物への「率直な」感想を披露。山極センター長が礼拝堂を建立中であると応じていた。内田氏は、その空間の空気感や目で見るもの、身体感覚を重要視され、それこそ宗教教育の本来の姿であると主張。その後、第一部の両者の講演を受けて、内田氏は「言葉の持つ身体性」に言及。50年を経て言語は変化すると述べて、翻訳の作業は50年に一度やり直すべきであり、研究センターの現代語訳の基本方針を評価された。
釈氏は、佛大が拡大路線の方向性を持っていると思っていたが、この研究センターは逆方向であり、それは、ある方向に行けばまた揺り戻しがありバランスを保とうとする、まさに仏教精神に他ならないと評価。ニーズマター(ニーズに応じていく)とミッションマタ―(やらねばならないことをやる)という中では、研究センターが佛教大学におけるミッションマターであるとも述べた。
釈氏はさらに、法然仏教について、広い視野から法然を捉えなおすことの必要性を取り上げ、内田氏は裾野を広げるには現代語訳が重要な役割を担うとした。内田氏はまた、裾野を広げるには、教学という柱が必要であり、研究センターがその中心的機関になるとも言う。また「翻訳」がキーワードになり、内田氏、山極センター長、本庄研究員がそれぞれ、翻訳経験の苦悩を吐露して、異文化とのふれあいによってこそ自分の専門性や自分のことを理解しているか試されると述べ、翻訳・現代語訳の重要性で一致。法然仏教学研究センターへの期待を述べて、トークセッションを終了した。

法然仏教学研究センター開設記念シンポジウム開催報告
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