別科について

学長 伊藤 真宏

行学双修の道場

 新入生の皆さん。佛教大学別科(仏教専修)への入学、誠におめでとうございます。そして浄山道場への入行を歓迎いたします。
 浄山道場で修行を行なう別科からは、すでに多数の優れた人材が送り出されており、浄土宗内の青年会会長職や各種委員に就き、また宗の中枢において重要な役割を担うなど、修了生が活躍中です。ここで本学は40年を超える歳月、一貫して「行学双修」に重きを置き宗門後継者を養成してまいりました。浄山道場における2年間で培った力は、修了後にどこでも通用する即戦力であり、また年を経るほどますます発揮されるものでありますが、先輩方の活躍はまさにその「行学双修」のたまもの、といえましょう。
 「行」と「学」を同時に修得することは、仏道修行では当たり前のことでした。しかし今日ほとんどの寺院の生活様式は世俗の慣習に馴染み、僧侶の生活は在家の人々とそれほど区別がありません。そのような一般の寺院では実現しにくい「行学双修」の仏道修行を、ここ浄山道場で行います。朝目覚めて、夜眠りに就くまで、あらゆることを仏道修行と捉え、「道場清規」を遵守し、敬上慈下の心で僧侶としての素養を身につけてください。そして道場で行なわれる講義の内容をしっかり聞きましょう。
 法然上人は「われ、聖教を見ざる日なし。木曽の冠者花洛に乱入の時、ただ一日聖教を見ざりき」(『法然上人行状絵図』5)と述懐されました。源平の合戦の過程で、木曽義仲が京都に入ってきたその日たった一日だけは、経典を紐解くことができなかったのです。つまり、法然上人は毎日、経典に学んでおられたということです。ぜひ法然上人を手本に、毎日学ぶことを心掛け実践する、そんな道場生活を送られることを願います。
 2年生は、すでに1年の学びを終え、後輩を受け入れる立場です。道場生活には慣れていることでしょう。考えずとも身体が動くようになっているはずです。だからこそ2年生ではさらに学問知識の修得が進められると思います。1年生で学んだことに自信をもって、先輩として手本を示してください。手本を示そうとする中では思い通りにいかず自分の至らなさを感じることもあるでしょう。すると、もっと学びたくなります。そうやって1年生を導きながら、自身が精進し、一層高めていきましょう。
 ここでの道場生活を充実したものにできるかどうかは、自分自身にかかっています。経験したことのない様々な戸惑いや困難も待ち受けています。しかし、常に入行した「今」の新鮮な気持ちを忘れず、自分の目的達成のために励んでいただきたいと思います。
 「還愚」という法然上人の真精神を「行学双修」でしっかり身につけ、法然上人がそうであったように、人々に明るい未来を示すことができる僧侶を目指しましょう。

宗門後継者養成道場長 曽和 義宏

お念佛中心の生活を

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
 2年生の皆さん、ご進級おめでとうございます。
 別科は、行学双修の道場生活を通じて、浄土宗の僧侶を養成することを目的として開設されています。それも単に浄土宗僧侶の資格を取るだけではなく、別科を修了したその日から、押しも押されもせぬ浄土宗の僧侶、念佛者となってもらうことを目的としています。そのために、学(=知識)だけではなく、また行(=実践)だけでもない、行学双修の道場生活の毎日を送っていきます。
 道場の生活ですので、規律ある行動と和合、協調の精神が必要です。また講義や行事などに、積極的に取り組む姿勢も必要です。厳しい修行の毎日となりますが、お互い助け合いながら、自分自身を深く掘り下げ、磨き上げていただくことをお願いします。深く掘れば掘るほど、磨けば磨くほど、きっと大輪の素晴らしい華が開きます。
 みなさんそれぞれの精進は、言うまでもなく一人ひとりが高い意識をもって弛まず取り組んでいただかなければなりませんが、その中でも絶対に欠いてはならないことがあります。それは一声でも多くお念佛を称えることです。どれだけ威儀作法が立派でも、どれほどの知識を持っていても、お念佛を称えない人は浄土宗の僧侶ではありません。お念佛中心の生活を送る中で、行と学とに精進していただくことを念願します。

「一丈のほりをこえんと思はんひとは、一丈五尺をこえんとはげむべし」(法然上人、つねに仰せられける御詞)

別科主任 坪井 剛

別科主任 南 宏信

目標の再確認

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんを佛教大学別科(仏教専修)にお迎えできたことを、教員の一人としてとても喜んでいます。ただ皆さん自身は、これから2年間の道場生活を思って、不安と期待が入り交じっているのではないでしょうか。早く道場生活に慣れて頂くと同時に、何か不安なことがあれば、指導員・教員や上級生・同級生など、周囲の人たちに積極的に相談してみてください。
 また新2年生は、1年間の道場生活お疲れさまでした。日々の作務等にも多少は慣れてきたのではないでしょうか。ただ、順調にいけば今年の冬には「伝宗伝戒道場」への入行が待っています。そう考えると、まだまだ「道半ば」ですので、改めて気を引き締め直して日々の生活を過ごしてください。
 さて今後、皆さんが道場生活を続けていく上で、恐らく多くの困難が伴うことだと思います。時にはついつい怠けてしまいたくなることも、逆に心が折れてしまうこともあるかもしれません。そんな時には、いまの自分の「目標」は何なのか、長い人生においていまの自分はどういう「位置」にいるのかということを考え直してみてください。
 例えば、そもそもどうしてこの道場に入ってきたのか、将来この道場を修了してからどのような僧侶となりたいのか、そのためにこの道場でどのような経験を積もうと思っているのか・・・などなど。こういった「目標」を再確認することで、なぜ今、この厳しい道場生活を送っているのか、その意味を改めて確認することができるのではないでしょうか。
 道場はあくまで皆さんの「修養の場」です。ここを通り抜けた後に「本番」が待っています。ですので、将来の自分に必要な技術や知識、心構えなどをこの道場でしっかり身につけてください。道場を出た後に身につけようと思っていても、一人ではなかなか勉強することすら難しいものです。この道場にいる間に最大限、この道場を「利用」してくれることを期待しています。

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