現代社会学科

現代社会の課題を分析し、
解決できる力を身につける。

毎日のニュースで流れるさまざまな社会問題や、家族、学校、職場、地域にあふれる身近な社会現象などを多角的に観察・分析できる幅広い視野と能力を育成。
少人数制のクラスで、多彩な科目をバランスよく学ぶことにより、共生社会に貢献する力、情報社会において必要とされる情報リテラシーやコミュニケーション能力を養います。

学びのポイント

テーマに応じて専門性を深める3コース制

3領域にわたるコース科目は、社会学の研究領域をほぼ網羅しているので、扱う対象は多種多様。1つのテーマを多面的に見つめ、問題点を浮き彫りにします。主なコース1つの学びに加え、他コースの履修も可能です。

文化・国際コース 国際関係や紛争・テロなどに、歴史や文化、宗教の多様性という観点からアプローチ。人々の意識や知識のあり方にも着目します。
共生・臨床社会コース 少子高齢化の背景、格差社会を是正する道筋など、身近な諸課題を掘り下げながら、共生社会の可能性を模索します。
情報・メディアコース 国際化・情報化が進む中、改めてコミュニケーションやメディアのあり方に着目。ポピュラーカルチャーなども研究対象になります。

社会のあらゆることに疑問を持ち、考察・探究する

「SNSは生活をどう変える?」「日本は移民を受け入れるべきか?」「少子高齢化の社会の未来は?」......社会学は身のまわりの出来事から国際情勢まで、幅広い事象を扱う学問です。そこで重要なのは、自分たちが生きている社会のあり方を当然視しないことです。現代社会学科では、社会を立体的な視点でとらえるための理論や調査の方法を学び、社会を生きる中で直面するさまざまな課題について、背景や対策などを根本から考えます。

自発的に学びを深める、アクティブ・ラーニングの充実

学生が主体的に学ぶアクティブ・ラーニングを重視しています。授業では教員の指導のもと、学生同士で発表・討論を行い、課題の理解を深めます。一人ひとりの学習スタイルで自発的に考え学ぶことで、社会で必要とされる情報収集力や課題解決力、プレゼンテーション力などを養うことができます。

理論や学説の学びに加え、調査手法も実践的に習得

理論や学説を学ぶことで、社会を俯瞰的にみるための想像力を養います。また、実際に研究対象となる地域や社会に赴き、その場所の調査や人々との対話から、さまざまな情報を得ます。そうしたスキルを身につけることで社会調査士やグローカルプロジェクトマネジャー(GPM)といった資格を取得することができます。

教育の方針

ゼミ紹介

3年生になると現代社会学科では、さまざまな研究をしている教員の指導のもとに、ユニークなテーマで調査や研究を行う授業(ゼミ)を履修します。
現代社会学科のゼミは、理論派から実践重視までアプローチも様々なら、テーマも盛り沢山。以下では、そんなゼミのなかから、2つのゼミの様子を紹介します。

【香西ゼミ】身体を語る言葉から社会を考える

「お腹がすいた」り「太った」り「病気になった」りと、マイペースな身体は私たちにとって重大な関心事です。一方で身体は、私たち自身だけでなく、他の人々の国や社会の関心の対象でもあります。このゼミでは、そうした「身体」をさまざまな言葉が交錯する場としてとらえ、身体を語る言葉から現代社会を読み解いています。

【大束ゼミ】社会の課題を見つけ出し、解決する力をつける

今、社会で求められているのは「課題を発見し、改善策を提案する力」。私のゼミでは"提案力を身につける"ことをテーマに、児童館や高齢者・障がい者施設へのヒアリングから課題を発見し、改善策を考え、実際に提案するところまで実施。その提案を他大学との政策研究交流大会で発表しています。培った力は就職活動にも役立ちます。

【大場ゼミ】エンターテインメントと社会

「東映太秦映画村」でのフィールドワークの様子

このゼミでは、映画、音楽、テレビ番組、アニメといったメディアコンテンツからコンサート、演劇、お笑いといったイベントまで、エンターテインメントがどのように企画・制作され、人々に受け入れられるようになったのか、作品の特性やマーケティング方法、人の好みやライフスタイル、時代背景などの観点から考察します。関心のあるテーマを学術的な視点から読み解くことで、新たな発見を得られます。

課題解決型学修(PBL)とは?

私たちが生活している社会にはさまざまな問題や課題があります。課題解決型学修(PBL)とは、学生が社会に出て地域社会で生活している人々や働いている人々と一緒に、その地域や働く場の問題や課題を発見し、大学で学んだ知識を生かしてその問題や課題の解決策を考え実践することで、社会に出た時に役立つ実践的な知識を学ぶ学修スタイルです。社会学部では2年生に履修する課題解決型学修として「プロジェクト演習」や3年生に履修する「グローカル人材PBL」などの科目を提供しています。

プロジェクト演習とは?

主に地域社会の問題や課題を発見することを目標にしています。一緒に考える地域の人々は様々なので、複数の地域社会の問題や課題に対応するクラスがあります。そのひとつである「北野商店街活性化プロジェクト」は佛教大学が包括協定を結んでいる北野商店街と連携し、北野商店街で行われているいくつかのイベントを商店主とともに実施し、地域社会が抱える問題や課題について学びます。参加しているイベントは2019年度では4月の春祭り、7月の夏祭り、10月のハロウィンでの企画を担当しています。受講生は地域の高齢者と子どもたちのふれあいの形成のために、春祭りでは、商店街スタンプラリーや空き店舗を利用した懐かしい遊び、夏祭りではぶんぶんゴマやメンコを子どもと高齢者が一緒になって作成する企画を運営しました。ハロウィンでは子どもたちと高齢者が一緒になって仮装グッズを作成し、商店街を練り歩く企画を計画中です。

グローカル人材PBLとは?

主に企業や事業所と連携し、企業や事業所の問題や課題を発見し解決策を提案し実践することを目標にしています。複数の企業や事業所の問題や課題に対応するクラスがあります。そのひとつである「京丹後市産業活性化プロジェクト」では、京都府北部に位置する京丹後市の行政や企業・事業所と連携し、少子高齢地域での事業活動に対する解決策を提示することで過疎問題や持続可能な社会について学びます。2019年度では5月と8月に現地を訪問して企業・事業所の見学を行い、京丹後市が誇る丹後ちりめんの再興を目指し、企業・事業所や地域の人々とともに丹後ちりめんファッションショーを運営することになりました。受講生はSNSを利用したPR、ファッションショー内で上映する企業・事業所や地域の人々が語る丹後ちりめんへの思いを編集した動画の作成を担っています。なお、グローカル人材PBLはグローカルプロジェクトマネージャーの必修科目です。

本学の社会調査士への取り組み

社会調査士は、一般社団法人「社会調査協会」が認証する民間資格です。同協会によると、社会調査士とは「社会調査の知識や技術を用いて世論や市場動向、社会事象等を捉えることのできる能力を有する調査の専門家」であることの証であり、現代社会学科・公共政策学科の両方で取得することができます。

この資格を取得するためには、「社会調査論」などの定められた講義単位を取った上で、3年次から始まる「社会調査研究演習」を1年間受講する必要があります。この演習は十数名程度で行われる1年間だけのゼミのようなもので、調査テーマを各人が決定し、実際に統計調査もしくはインタビュー調査を実施します。これまでの演習では主に「若者の社会意識」をテーマとし、若者の友人関係やライフスタイルから政治的な意識までを幅広く取り扱ってきました。社会調査士のプログラムではこのような実地調査を通して、情報を読み解く力を磨き、より正確に社会動向を理解するための教育を提供しています。

本学のグローカルプロジェクトマネージャー(GPM)への取り組み

GPM資格は、グローカルな視点で物事を考える能力と、地域経済・地域社会の持続的発展の支える公共マインドを兼ね備えた人材に与えられる職能資格です。佛教大学ではこれからの地域社会や地域企業が抱える課題を解決する上で、グローカルな視点と異文化コミュニケーションが重要になってくると考えます。それは、今後の地域も企業も、性・国籍・習慣・言語など、今まで以上に異なる背景を持った人々によって構成されていくと見ているからです。そこで佛教大学では、異文化理解・コミュニケーションの学修に力点を置き、構成しています。

本プログラムは、異文化理解・コミュニケーションを中心に講義科目を受講し、基礎的な知識を修得します。並行して「プロジェクト演習」を通じて、参加型講義の経験を積み、コミュニケーション能力を磨きます。その上で、大学に企業人をお招きして京都の産業や地域企業とグローバル化のかかわりを学ぶ「京都の産業」を受講し、企業の考え方に直接触れることで、自分たちとは社会的背景が異なる社会集団を理解する経験を重ねます。さらに京都の企業などと連携して運用する「グローカル人材PBL」を受講することにより、GPM資格にふさわしい総合的な能力を養います。

こうした教育プログラムを通じて、みなさんが「グローカルに物事を理解する視野」と「ローカルな社会に対する愛着」と兼ね備えた人材として成長し、京都を初めとしてさまざまな地域に巣立っていかれ、そこで活躍されることを期待しています。

卒業研究テーマ例

  • ヒップホップカルチャーから考える人種差別
  • 現代社会にハンコは必要か
  • 京都市のオーバーツーリズム ―観光地と京都市営バス―
  • 「ADHD」の現状 ―大学生への調査から―
  • eスポーツの将来性
  • コロナ禍におけるデマと報道の役割
  • 不寛容社会におけるジェンダー広告
  • 日本の教員はなぜ多忙化するのか
  • アニメ聖地巡礼による地域活性化 ―静岡県沼津市を事例に―
  • 大学生アイドルオタクの消費構造
  • 推しと恋愛の関係性~虚像と実像の間で揺れる意識~
  • 拡大する音楽フェス~もう音楽を聴くだけの場所じゃない?~
  • 映画の宣伝とヒットの関係性~クチコミ・SNSは鑑賞判断の決め手になるのか~
  • 加速する2.5次元舞台化~アニメ化に対する優位点と課題~
  • バーチャルYouTuberが社会に受け入れられるようになった背景

取得可能な教員免許状・資格

教員免許状

  • 社会/中学校1種
  • 地理歴史/高校1種
  • 公民/高校1種
  • 情報/高校1種
  • 特別支援学校1種

資格

  • 図書館司書
  • 学校図書館司書教諭
  • 学校司書
  • 博物館学芸員
  • 社会教育主事
  • 浄土宗教師
  • 浄土宗開教使
  • 浄土宗社会教化主事
  • レクリエーション・インストラクター
  • 社会調査士
  • グローカルプロジェクトマネジャー(GPM)
  • 年間の履修登録単位数に上限があるため、取得できる教員免許状・資格の数には制限があります。
  • 教員免許状・資格の取得にあたっては、所定科目の履修が必要です。
  • 併設されている通信教育課程を併修することにより、小学校1種などの他学科指定の教員免許状も取得可能です。
  • ぶったんWEB
  • 図書館
  • オープンラーニングセンター
  • 宗教文化ミュージアム
  • 佛教大学入試情報サイト
  • 佛教大学通信教育課程
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