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2022年11月2日

「運動会を終えて」

10月15日(土)の運動会では、ご声援、ありがとうございました。4学年同時開催の運動会としたことで、4年間の子どもたちの育ちを感じ取っていただいたことと思います。

折に触れ、運動会は、「何かをできるようになったことを披露するためのものではない」ことをお伝えしていますが、この日はまさに日々の生活の中で、少しずつ太く長くなっている子どもたちの心の根っこの育ちに気付いていただく機会となったことと思います。

運動会では実にいろいろな姿がみられました。自分の目標に向かって取り組み、仲間と力を合わせて挑もうとする年長児の姿がありました。そして、初めての運動会で大勢の人に驚いたり戸惑ったりする姿、頑張りたいのに緊張して足がすくんだりする姿など、いつもの園生活とは違う姿もありました。これらは、どれも全て大切な自己表現です。

幼児期は、自分のありのままの思いを表出することがとても大切な時期と言われています。自分の思いをぐっとこらえ押し込めるのではなく、「この場所は自分の素直な思いを出していい場所なんだ」「自分の思いは大切にされるんだ」と感じ取ることが大切です。子どもたちはそういう大人がいる安心できる環境の中で、自分の思いをもっと表現したくなったり、新しいことに挑戦したり、うまくいかないことがあってもやり遂げようとしたりすることができるようになっていくのではないでしょうか。

運動会は晴れの日ではありますが、本園では、大切な「保育の1日」と位置付けています一人ひとりがその時の思いを出し、そこに応答的に関わりながら「生きる力」を育みたいと考えています。

下記の感想文も、運動会における一人の子どもの心の成長が表れていますね...

息子と夫の様子を遠くから眺めて「やっぱり何もしないなぁ(笑)」と思っていましたが、出番を終えて戻ってきた泣きべその彼の手には、

赤と黄色に紅葉した葉っぱが2つ握られていました。夫曰く、「落ち葉を手放したくなくて何もしなかった」と。

いつから持っていたのでしょうか。出番前の、園庭で遊んでいるときに手に入れたものであれば、入場を待っているとき、

かけっこの時、ぶらぶらブランコのように振り回されている間中、ずーっと手に持っていたと思うと、「やるやん!!」と声を掛けました。

自然豊かなひよこ組で過ごした半年、毎日必ずお土産をお散歩バックに入れて嬉しそうに見せてくれる日々です。

日々好きなものに心を動かされて、父・母とまた先生と、嬉しさを共有したいという可愛くって素晴らしい育ちをした、

彼の半年の集大成ともいえる2枚のはっぱと秋の運動会。私たちはあたたかな気持ちで終えました。

P.S. 翌朝起きて早々に、「うんどうかい、タノシカッター!!」と言っていたので、泣いていた彼なりに楽しんだようです。

(満3歳児の保護者の方の感想文より)