修復後のキジル千仏洞と阿弥陀経・法華経などを 訳出した鳩摩羅什三蔵の像
敦煌・龍門・雲崗と並ぶ中国四大石窟のひとつ、キジル千仏洞は3世紀から10世紀頃に造営されたと考えられている。約3kmの範囲に約300の石窟と約10000m²の壁画が残存するが、永年にわたる自然劣化と異教徒や外国探検隊から受けた破壊によって荒廃が進んでいた。心をいためた小島康誉(現佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表)が修復保存に協力したことが、日中双方が長年にわたって新疆の世界的文化財保護研究事業を推進していくきっかけとなった。この一帯には、キジルのほかにもクムトラ・シムセム・タイタイルなど多くの石窟寺院が残り、本格的研究が待たれている。
五絃琵琶の描かれた壁画