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佛教大学臨床心理相談室 こころのコラム④

2021.2.4

前回のこころのコラム③にもありますが、この1年、生活がほんとうに大きく変わりました。

周りから感嘆されるほど、どんな環境にもすぐ適応する性質の私ですが、それでもふと、何とも言えない疲れと心もとなさに襲われる瞬間があって、そんな自分にちょっと驚いています。 身の回りのあれこれが、そして自分までもが変わってしまったかもしれない、こんな日々はいつ平常に戻るのでしょうか。

でも最近、フランスのジーン・バプティスト・アルフォンス・カー(Jean-Baptiste Alphonse Karr)というジャーナリストの"Plus ça change, plus c'est la même chose"(変われば変わるほど、変わらない)という言葉を覚えました。

この1年でのさまざまな変化は、なんでもなかった日々のなかで自分の拠りどころになっていたものが何だったのかを、痛烈に感じさせてくれました。気のおけない誰かとお茶でも飲みながらとりとめもなく語らうなかで、こぼれ出る気持ちを互いにさりげなく受け止めあうこと。そして、誰かとただ一緒にいることから伝わってくる「空気」としか言いようのないものに、自分の存在をまるごと肯定されているような感覚...。

これまでそういったものは、いわゆる背景音楽のようなもので、あえて言語化してみるまでもなかったのですが、じつはそのようなものこそが私の拠りどころだったのだということに気づかされました。

でもその気づきは、じつのところ意外なものという感じではなくて、以前からなんとなく知っていたことなのです。でも今はそれを、なんというか、心から体まで自分の全部にしみわたるように実感しているという感じです。そして、そういうことをこうして大事に感じる自分というのは、結局のところ変わってはいないのだなあ、と思うと、なんだかほっとします。

いずれまた、いつもの日々が少しずつ戻ってくるのでしょう。そして自分の大事にしているものは、コロナ以前も私の中にあったし、コロナ後もきっと変わらずあり続けるのだろうなと思います。

みなさんの「変われば変わるほど、変わらない」ものは何でしょうか?

出典:"Les Guêpes" (in French). Paris: Michel Lévy Frères. 1862. p. 278.

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