佛教大学臨床心理相談室 こころのコラム①
2020.7.15
緊急事態宣言が解かれ、新たな生活が再開しました。
長い期間にわたる休校、在宅勤務・・・様々なことが多くの人にとり初めての体験でしたが、同様にこれほどの長いブランクを経ての再開自体、多くの人にとり未曾有の体験と言えます。子どもも大人も、生活のリズムを取り戻すために、もうしばらくの時間が必要です。
再開する生活や新たな生活への不安、ストレスを感じる方もおられるでしょう。しばらく行けずにいた学校や職場が、実際に行ってみたら想像と違ってショックを受けることもあります。
こうした状況の中、思わぬ感情の行き違いを生じたり、多くの人が懸命に対処にいそしむ中、自分だけ何もしていない、違う価値観を持っている気がするなど、孤独感を強めることもあるかもしれません。生活は非日常から日常へと戻りつつあるのに、大切な誰かがそばにいないことで、寂しくて何も手がつかない気持ちになることもあるかもしれません。いつになれば、感染症拡大が収束したといえるのか、先行きに不安を覚える人もいるでしょう。
本当に悲しくてどうしようもない時や不安な時に、いつも前向きに明るく、という風にはなかなかなりにくいものです。どうしようもない時は、抱えている寂しさや悲しさ、怒り、不安を、そっと自分の傍らに、横に置いてみましょう。
何とか日々を過ごすうちに少し時がたてば、いつのまにかそうした気持ちが水に流れるように、遠ざかりゆくこともあります。誰かに話をすることで、自分なりの対処がわかり気持ちが落ち着くこともあります。苦しみに対処するうち、その経験がいつの間にか良き芽となって、新しい生き方を生み出すこともあります。
当相談室では、お話をお伺いしながら、道を探ることをご一緒させていただいています。何かあればお気軽にお申込みください。
臨床心理学研究センター 臨床心理相談室