第13回佛教大学小学生俳句大賞は、日本全国の小学生の皆さんや海外から、27,518句(低学年の部9,841句、高学年の部17,677句)の作品をご応募いただきました。また、団体応募校数は270校でした。たくさんのご応募、ありがとうございました。
厳正な審査により選ばれた作品を発表いたします。
選考委員講評
テレビの最近の天気予報では、地球の雲の動き、あるいは風の動きが示されます。空は中国、アメリカに、そしてヨーロッパやアフリカに広がっていることを実感します。
はがぬけてとうもろこしをつめこんだ 葛原 楓
これは今回の低学年の部の最優秀賞作品です。天気予報を見て、気分が地球的に広がった私にとって、この句の風景は中国、インド、アフリカ、ブラジルなどのいたずら好きな子どもを連想させました。もちろん、ロンドン、パリ、アテネ、香港などにもこのような歯のぬけた子がいるでしょう。
そういえば、私たち人類(ホモ・サピエンス)は今から約20万年前にアフリカで誕生しました。石器を作り、言葉を持っていたこのホモ・サピエンスは、約7万年前、アフリカを出て世界の各地へ広がりました。私たちの持っている遺伝子は、アフリカに誕生して今に至った長い歴史の記録です。もしかしたら、私たちの言葉(日本語)は、たとえばその根っこ(響きやリズム)にアフリカの記憶を残しているかもしれません。
というようなことを思うと、575の短い言葉が、先の句の主人公に似ている気がしませんか。世界にはさまざまな国があり、言葉もいろいろですが、でも元をただせばアフリカです。十万年前のある日、歯のぬけた子がいて、その子は歯のぬけあとに何かをつめこみました。たとえば木の実を(もしトウモロコシがあったらトウモロコシをつめたでしょう)。
「ありがとう」初めての手話秋の朝 宍戸 心花
これは高学年の部の最優秀賞作品です。初めての手話で「ありがとう」を覚えたのです。新しい言葉を覚え、なんだか胸が広くなりました。その胸の広くなった感じを季語「秋の朝」が表現しています。ちょっとひやっとして、高く澄んだ空がどこまでも広がっている、それが秋の朝です。
そういえば、手話は新しく登場して、今では話し言葉、書き言葉と共に私たちの大事な言葉になっています。手話を覚え始めた宍戸さんが、自分の俳句を手話で表現できるようになったらすてきです。
ぞうきんはジンベイザメになっている 渡辺 力ノ介
ねぎとうふ肉に白菜ワンチーム 岡田 凌玖
上は優秀賞の句です。渡辺さんの雑巾は変身するのですね。とっても楽しい雑巾です。ラグビーW杯ではやったワンチームという語を使った岡田さんの句もとっても楽しいです。これ、すき焼きチームでしょうか。すき焼きが食べたくなります。
坪内稔典
(選考委員代表・佛教大学名誉教授)
選考委員
青砥 弘幸 | (佛教大学教育学部講師) |
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尾池 和夫 | (京都造形芸術大学学長・俳人協会名誉会員) |
田中 典彦 | (佛教大学長) |
坪内 稔典 | (佛教大学名誉教授) |
原田 敬一 | (佛教大学名誉教授) |
山本 純子 | (第55回H氏賞受賞の詩人・俳人) |
表彰式
日時 | 2020年3月22日(日曜) 佛教大学で開催予定 ※入賞者(佳作を除く)を表彰式にご招待。 新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、受賞者および関係者の健康、安全面を第一に考慮した結果、今回は中止とさせていただきます。 |
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賞
最優秀賞 | 図書カード1万円 (低学年の部1名・高学年の部1名) |
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優秀賞 | 図書カード5千円 (低学年の部4名・高学年の部4名) |
選考委員特別賞 | 図書カード3千円 (低学年の部6名・高学年の部6名) |
入選 | 図書カード2千円 (低学年の部10名・高学年の部10名) |
佳作 | 記念品 (低学年の部100句程度・高学年の部100句程度) |
学校優秀賞 | 希望に応じ本学教員による派遣授業 (3校程度) ※学校と相談させていただきます。 |