第6回 佛教大学小学生俳句大賞 結果発表 佛教大学

第6回佛教大学小学生俳句大賞は、日本全国の小学生のみなさんや、マレーシアやアメリカからもご応募いただきました。
応募数は、低学年の部15,582句、高学年の部23,679句、合計39,261句ものご応募があり、団体応募は325校の小学校からご応募いただきました。

選考委員講評

なんと今回は39,000を超す作品が集まりました。去年に比べて10,000句以上が一挙に増えました。たくさんの作品をていねいに審査するため、予備審査員の人数を増やすなどしましたが、どの審査委員も笑顔を見せながら楽しく審査しました。その結果、今回は次の2句が最優秀句に決定しました。

低学年最優秀句

お年玉ママのじゃないよぼくのだよ  兵庫県 伊丹市立鈴原小学校 2年 馬瀬 樹

高学年最優秀句

せんたくき昨日のユズの香りする  大阪府 豊中市立野畑小学校 5年 中谷 麗夢

馬瀬さんの「ママのじゃないよぼくのだよ」と言いたい気持ち、よく分かります。ママはですね、「私が管理してあげる。ちゃんと貯金しておくよ」と言ってお年玉をあずかってくれますね。でも、ママにあずけたとたん、まるでママのものになって、「すぐ使ってはだめよ。ママが大事に持ってる」ということになり、ママの許可なしでは使えません。「ママのじゃないよぼくのだよ」と言っても、「分かってるわよ」と軽くあしらわれてしまいます。

中谷さんの句は、洗濯機(せんたくき)の水の匂いですね。昨日は冬至(とうじ)で、風呂にユズを入れました。その水を洗濯に使ったので、今日、洗濯機はユズの香りがしたのです。ユズの香りは生活の快い香りです。

この「佛教大学小学生俳句大賞」は学校単位での応募が急増しました。指導要領が改訂され、小学校で俳句に親しむことが奨励されている、という理由が急増の背景にあるのでしょう。それはそれとして、各小学校の先生方がこのコンテストへの応募事務をこなしてくださっていることに感謝します。審査しているとすぐに分かりますが、熱心な先生のおられる学校は入選率がうんと高くなっています。

児童が個人で応募される場合、まわりの大人たちのバックアップが感じられます。ことに児童の祖父祖母の俳句のすすめが応募を促しているように思われます。小学生が祖父母といっしょに俳句を作っているようすを想像すると、とても微笑(ほほえ)ましいのではないでしょうか。

以下は毎年のように言っていることです。私たちはこのコンテストが、俳句を通して言葉に親しみ、そして言葉を楽しいと思うようになる、そういう機会になれば最高だ、と考えています。言葉は楽しくておもしろい、という体験をしておけば、読んだり書いたり話したりすることが好きになるのではないでしょうか。逆に、言葉は苦手、おもしろくない、と思っている子は、その将来においても読んだり書いたり発表したりすることが苦手のままかもしれません。

言葉は人間が作ったものですが、今では、言葉が人間を作っている、と言っても間違いではありません。言葉が生き生きとしている環境があれば、その中で人も生き生きと育ちます。

最後になりましたが、教師や保護者のみなさん、そして各種マスコミのみなさんのこの賞へのいっそうのご理解とご支援をお願いします。

坪内稔典(選考委員代表・佛教大学文学部教授)

選考委員

尾池 和夫 (財団法人国際高等研究所所長)
坪内 稔典 (佛教大学文学部教授)
原  清治 (佛教大学教育学部長)
原田 敬一 (佛教大学歴史学部教授)
山極 伸之 (佛教大学長)
山本 純子 (第55回H氏賞受賞の詩人)

表彰式

日時 2013年3月23日(土)佛教大学で開催

※入賞者(佳作を除く)を表彰式にご招待いたします。

賞

最優秀賞 図書カード3万円
(低学年部門1名・高学年部門1名)
優秀賞 図書カード1万円
(低学年部門4名・高学年部門4名)
選考委員
特別賞
図書カード5千円
(低学年部門6名・高学年部門6名)
入選 図書カード3千円
(低学年部門10名・高学年部門10名)
佳作 記念品
(低学年部門100句程度・高学年部門100句程度)
学校優秀賞 希望に応じ本学教員による派遣授業(3校程度)
※学校と相談させていただきます。

最優秀賞

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