佛教大学 STUDY GUIDE 2018 履修要項 2011年度以降 学部第1学年次入学者適用
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臨床心理学は,心の傷や問題に苦悩する人を援助するための実践的な学問です。そして臨床心理学科とは,この臨床心理学を学び,心の支援活動や心の健康教育で社会に貢献できる人材を育てる学科です。とくに,を教育の目標とする学科です。現代社会は,科学技術・情報化が急速に進歩し,その利便性を享受できる時代です。しかしその一方で,人々の生活様式や価値観が急激に変化し,人間存在の意義が根底から問い直されている時代とも言えます。人間関係までが操作され希薄になって「心」が脅かされている時代とも言えます。とりわけ「心の危機」と言える現象がさまざまな年齢・職業・生活領域にわたって生じてきており,社会の各方面で問題となっています。教育現場でのいじめや不登校,家庭における子育てや暴力・虐待の問題,地域社会での犯罪や被害者支援の問題,職場のストレスや中年危機の問題,さらに高齢化社会の心の支援という課題など,「心の危機」に関わる問題が社会で大きく取り上げられています。したがって社会は「心」を理解し「心」で関われる人材をあらゆる場面で求めています。たとえば家庭,学校現場,地域社会,職場では,豊かな人間関係と心の健康生活構築に寄与できる人材を求めています。さらに教育・福祉・医療・司法矯正・行政・企業など多くの専門分野で,心の支援活動・心の健康教育に寄与できる人材が求められています。また臨床心理学の知見を専門的に学び心理技能を駆使できる人材が,教育機関・福祉施設・医療機関・一般企業・公務員における専門職として必要とされています。とくに子育て支援・被害者支援をはじめ深刻な「心の危機」に対する実際的な援助には,「心」の現象が個々に複雑で多様なだけに,学部から大学院まで積み重ねられた高度な専門的知識と技能が必要です。この高度専門職業人として,臨床心理士・公認心理師の活躍が社会の各方面で期待されています。スクールカウンセラーをはじめ「心の専門家」である臨床心理士・公認心理師の養成が急務となっています。対象学部仏教学部文学部歴史学部臨床心理学科の教育目標心を理解し支えよう教育学部(2018〜)教育学部(〜2017)社会学部社会福祉学部164Ⅲ 教育課程① 人間関係の回復のために,自他の理解に優れた,  関係能力を備えた人格を育てること② 複雑多様な「心」の現象を理解し,個人に寄り添って  援助ができる人材を育てること③ そのために臨床心理学を体験的に学び,  心を深く見つめる「臨床的視座」を養うこと専門科目 教育学部臨床心理学科

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