学長就任挨拶

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「還愚」の考え方を浸透させつつ、
これからの社会に求められる
より開かれた大学をめざします。

佛教大学長 伊藤 真宏

人と人との距離が近い環境で、仏教精神と専門性の両面を磨く。

総合大学でありながらも、学生同士はもちろん学生と教職員との距離が近いことが、佛教大学の大きな魅力のひとつです。コンパクトなキャンパスで人と人とのつながりが強く、教員や職員の面倒見も抜群。70年近い歴史をもつ通信教育課程があることも手伝って学生の年齢層が幅広く、意欲ある社会人経験者らとの交流が若い学生たちの刺激にもなっています。
仏教系大学ならではの文化や風土が息づいているのも特徴です。建学の理念である仏教精神とは、仏教の開祖である釈尊(ブッダ)と浄土宗の開祖である法然上人とに共通する生き様や考え方のこと。そのため日本人の奥底に根づいている思いやりや安らぎの心が、礼拝堂を中心としたキャンパス全体に満ちあふれています。
仏教精神を学ぶ授業は、通学・通信問わず7学部14学科すべての学生に対し開いています。そこで身につけた考え方は、たとえ今すぐ役に立たなくとも、卒業して10年後、20年後、どこかで必ず生きてくるもの。コロナ禍で日常生活が一変し、これまで当たり前だったことの転換も余儀なくされました。しかし混迷する世の中であっても、生かし生かされ生きていることを自覚し、慈悲の精神、施しの精神をもっていれば、自分がどう行動すべきかは、おのずと見えてきます。仏教精神と学部学科の専門性の両面を磨いていくことが、社会に求められる人材の育成にもつながると考えます。

自らを見つめ直す「還愚」の心が、新しい自分の発見にもつながる。

法然上人の思想を特徴的に表しているのが、「還愚(げんぐ)」という言葉です。還愚とは、おごることなく素直な心で自分自身を見つめること。人は、例えば年齢や社会的な地位が上がっていくと、鎧兜(よろいかぶと)を身にまとい、その肩書きの姿を演じることが増えていきます。社会だけでなく家庭内でも、役割に応じた顔で生きることがあるでしょう。しかしその鎧兜を取り去れば、嫉妬心や利己心など、人に見せたくない悪い部分も多いはず。善と悪の間で揺れ続けるのが人間です。自分はだめな人間だと否定するのではなく、本来の自分の姿を見つめ、良い部分も悪い部分も認めることで、次への一歩は踏みだせます。ありのままの自分を受け容れれば、本当にやりたいことが見つかり、自分が進むべき道も見えてくるでしょう。
何か自分にとって都合が悪いこと、受け入れにくいことが起これば、SNS等でいっせいに叩く傾向のある、不寛容な世の中です。しかし自身をちっぽけな人間だと認めると、他人にも寛容になれるもの。佛教大学では、人の痛みや苦しみを受け止め、自然と手を差し伸べられる人間性に加え、手を差し伸べるための技術や知識を身につけてもらいます。

この4月には、佛教大学オープンラーニングセンター(O.L.C.)を開設します。また、幼保一体化が進む世の動向に対応し、来年4月には教育学部に幼児教育学科(仮称)を設置する予定です。時代の要請に柔軟に応え、これからの社会に求められる、より開かれた大学をめざします。

さまざまな取り組みを進めていくうえでの基本的な指針は、「ねばり強い継続と大胆な変化」です。これまで築き上げた良い取り組みは、結果を急がずねばり強く継続させる一方で、これまでの常識にとらわれず、やらなければならないことは大胆に変化させていきます。成長を続ける佛教大学で、これまで知らなかった自分自身と出会い、新しい扉を開いて、社会に向かって大きく羽ばたいてくれる学生たちを、一人でも多く送り出していきたいと考えています。

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