本にかかわった学生の声

この本の出版にあたって、佛教大学の学生も取材に参加しました。これから医療・福祉の世界をめざす人たちは、「ありがとうが生まれたとき」の話から何を感じたのでしょう。3名の学生に聞いてみました。※学生の情報は2012年1月現在に所属した学部・学科・学年を表記しています。

書籍 「ありがとうが生まれたとき」

支援員 福西 麻美さんを取材して

医療ソーシャルワーカー 山﨑 亜紀子さんを取材して

社会福祉法人 さつき福祉会 吹田市立障害者支援交流センター あいほうぷ吹田 支援員 福西 麻美さんを取材して

湯浅 美穂 社会福祉学部社会福祉学科 3回生

佛教大学 社会福祉学部社会福祉学科 3回生 湯浅美穂です。
先日は有難うございました。インタビューの感想です。

今回、障害者自立支援交流センターで支援員として働いておられる福西さんと直接お話をさせていただき、実際の福祉現場の様子、障害を持つ方と関わる上での喜びや楽しさ、苦労などを知ることができました。
特に、利用者の方と一緒に活動をする中で、思いの共感や共有ができること、利用者さんの笑顔が見られることがこの仕事のやりがいであるとおっしゃられていたことが印象的でした。福祉職は一人で実践をするのではなく、対象になる方と共に感じ、成長し、信頼関係を築くことが大事であると改めて思いました。また、働いてみると、実習やボランティアとは違い、長期の関わりができるため、その人の変化や成長が良く分かるそうです。自分の働きかけにより、相手に成長や変化がみられることは喜びにつながると思います。長期のかかわりを通し、相手のことを良く知ることで、その人の思いに寄り添った支援が可能になるのだと感じました。また、実習やボランティアと違い、実際の現場で働くことの責任感の重さも感じました。
私も、障害者の支援に携わる仕事をしたいと考えています。このインタビューは職場のイメージを膨らませる良い機会となりました。貴重なお話をしていただき、有難うございました。

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勅使河原 航 社会福祉学部社会福祉学科 4回生

私は、福西さんとお話させて頂きとても印象に残っている言葉があります。

それは、「福祉以外の仕事をしている自分がイメージできなかった。」です。

「福祉の仕事は食べて行けない」という言葉があるように、将来的の経済的な面を考えると福祉職に就くか尻込みしてしまう学生も多いと思います。なぜ、福西さんはそのように思ったのかとても興味がわきました。
福西さんは、高校生の時に施設に入所している曾おじいちゃんとの会話でそれぞれが望む生活について考えたそうです。施設で暮らすということ、家で暮らすということ、自分が望む生活を送るという事はどういうことなのか。 
現在、あいほうぷの支援員として働いている福西さんは、言葉だけじゃないことを大切にしているとおっしゃっていました。具体的には、表情や肌のぬくもりなどの言葉以外のメッセージに気づき、受容する事です。福西さんのお話から福西さんの他者への寄り添う姿勢は、言葉が通じなくてもしっかりと相手の事を理解し、その人が望む生活を送る事ができるように一緒に取り込んでいることが伺えました。
私は、福西さんからその人の生活を守るという事の大切さを学び、その想いが福西さんの文頭の言葉に表れ福祉職に就いたのではないかと考えました。改めて、人の生活を守る、暮らしを守るというとこの重要性を考え直す機会となりました。東日本大震災で様々な弊害が生まれ社会の歪んだ仕組みが浮き彫りになった現代だからこそ、もう1度、福西さんがいう「それぞれが望む生活」について考え直していかなければならないと感じました。お忙しい中、お話させて頂きありがとございました。

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社会福祉法人 恩賜財団 大阪府 済生会茨木病院 医療ソーシャルワーカー 9年目 山﨑 亜紀子さんを取材して

河田 友見子 社会福祉学部社会福祉学科 3回生

山崎さんのお話を聴いて、MSWは、入院中の本人の支援だけでなく、退院後の生活や患者さんの家族関係など、幅広く活躍されていることを感じました。
山崎さんのお話の中で最も印象に残ったのは、「家に帰りたい。」という独居高齢者の方の支援のお話です。行政や在宅ワーカーさんとの話し合いを重ねて、ヘルパーさんのない時間は誰かが泊まりに行ったり、とMSWだけでなく様々な機関と調整や連携をして自宅に帰れるように支援をされていました。ただ帰りたいから帰らせるのではなくて、帰るにあたってどんなことが必要なのか、帰宅後の生活にはどんなことが必要か、など、ニーズを見極めて本人が自分らしく生活できるための支援を行なうMSWにとても魅力を感じました。そして、ご本人が帰宅をすることができて、普通に家でテレビを見ているときにおっしゃった「生きててよかった」という言葉にとても重みを感じました。ご本人にそう思ってもらえることこそ幸せなことはないと思うし、ここにMSWのやりがいや魅力があるのだとも感じました。
また、MSWは、様々な機関と協力して支援する中で、多職種の方と連携をしてつなぐことが必要であり、大切であることも感じました。もちろん病院の先生との話し合いも大切で、山崎さんからも、自分が良いと思ってやったことが、先生にはしてほしくなかったこともあったとお聞きしました。きっとMSWの業務を行なうにあたって、病院の先生や多職種の方とかみ合わないことも現実にはででくるのではないかと思います。簡単なことではないと思うけれど、その中でも、MSWはいかにその人らしく生きていけるかを考え、多職種と関係を築きながら、患者さんの権利や意思を尊重し、諦めずに主張していくことも役割の一つではないかと思いました。
今度、実際に私は福祉現場インターンシップでMSWの研修に行かせていただく機会ができました。山崎さんの話や言葉を思い出しながら、自分の目で現場をしっかり観察し、さらにMSWの魅力を感じることができれば、と思います。
山崎さん、貴重なお話をありがとうございました。

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