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第3回研究会開催報告(法然仏教の多角的研究)

2017年6月19日

日時:2017年6月19日(月曜)12:50~14:20
会場:紫野キャンパス 鹿渓館1階 第1会議室
参加者:16名
        
概 要
<研究発表>
発表者:上野 忠昭(嘱託研究員)
テーマ:傍依の論としての『大乗起信論』について
 
 『選擇集』第一章「道綽禪師立聖道淨土二門而捨聖道正歸淨土之文」は、浄土宗の教相を示す一段であるが、そこに「傍らに往生浄土の教えを明かす経論」の一つとして『大乗起信論』が挙げられている。すなわち『起信論』の末尾に、臆病な心を起こして修行をやめようと思う者に対して、勝方便として専意念仏によって仏国土に往生し不退転の信心を得ることができると説いていることを指す。分量的にはわずかではあるが、専意念仏の説を本論述作の八つの動機の一つに挙げており、往生浄土は『起信論』のテーマの一つとして説かれているのである。善導は『観経疏』で『観無量寿経』像想観を解釈するにあたり、唯識法身の観とともに自性清浄仏性の観を斥けている。『大乗起信論』全体の文脈が、善導の指方立相説と相反するものであれば、「傍らに往生浄土の教えを明かす論」として法然は『起信論』をとりあげただろうかという問いのもとで、『起信論』の概要を示し、そこで展開される心真如門と心生滅門の二面とその相互のはたらきかけの理論の中で指方立相がどういう意味を持つのかを発表した。
 
<各班進捗状況報告>
【第一部門 法然文献班 元亨版『和語燈録』本文・現代語訳対照本作成】
発表者:角野玄樹嘱託研究員
前回より二回の研究会を開催。本庄訳の検討中。
 
【第一部門 法然文献班 桑門秀我『選択本願念仏集講義』現代語訳】
発表者:上野忠昭嘱託研究員
本庄、上野個々で、紀要投稿に向け、原稿を整える作業中。
 
【第二部門 『摧邪輪』班 明恵『摧邪輪』寛永版訓読・現代語訳】
発表者:米澤実江子嘱託研究員
紀要投稿へ向けた内容を検討中(巻中を見直し)。
 
【第二部門 門下班 門下研究目録作成】
発表者:伊藤茂樹嘱託研究員
入力を個々で担当しつつ、見直し作業に入った。
 
【第二部門 『往生要集鈔』関係班 『往生要集鈔』『往生要集義記』諸本対照・訓読・現代語訳】
発表者:南宏信嘱託研究員
出典調査と諸本の比較を二巻まで終了。
 
【第二部門 中国関係班 道綽『安楽集』解読・現代語訳・文献批判】
発表者:加藤弘孝嘱託研究員
前回より二回の研究会を開催。「又大樹緊那羅王云〜余三昧」の箇所を検討した。
 
【第三部門 伝宗伝戒班 『真葛伝語』諸本蒐集および教理的根拠の探索】
発表者:高津晴生嘱託研究員
前回から一回の研究会を開催。出版に向け、最初から推敲作業を始めた。

法然仏教学研究センター