環境問題を若者文化で解決。
地元企業を本気にさせた、
「竹カフェ」プロジェクト。

プロジェクトメンバー
(社会学部 現代社会学科 3回生)
写真左から:
中嶋 莉貢さん / 岸本 優希さん / 櫻木 千晶さん /
井口 知奈美さん / 椎野 真実さん / 平井 要さん

京都5大学が競うプレゼン大会で、まさかの優勝!

リーダーの中嶋です。皆さんは、放置竹林問題をご存知ですか?成長が早く、加工しやすい竹は、古くから工芸品や建物の材料などに使われ、人々の生活を支えてきました。しかし、時代の流れと共に、竹の消費量は減少。次第に竹林は放置されるようになりました。人手を離れて、荒れ放題となった竹林が自然拡大を続けて、周囲の森林を侵食し、荒廃させていく。こうした現象が今、全国各地で問題になっています。
その解決策として僕たちが考案したのが、「竹カフェ」。簡単に言えば、店舗の内観・外観、食器などあらゆるところに竹を使用して、竹の消費を促進。さらに、竹を使ったワークショップを定期的に開催することで、若い人たちが放置竹林問題について考えるきっかけも提供しようというコンセプトカフェです。
この「竹カフェ」は、京都府立大学など5大学が参加する「グローカル人材フォーラム(第3回)」にて、アワードを受賞。審査員だった地元企業から「物件を紹介するから、本当にやってみない?」とうれしいお誘いまでいただきました。
受賞発表の瞬間は、どう喜びを表現したのか、涙が出たのか、記憶にないくらい舞い上がりました。だって、僕たちの目標は、聴衆300人のプレッシャーに負けずにプレゼンテーションをすること。賞を獲れるなんて1mmも思っていませんでしたから。

小さくまとまるな!
HAMADAさんから学んだ教え。

僕たちのグループは、もともと、「就職とは何か」について研究していました。その一環として、夏休みに株式会社浜田(HAMADA)という会社のインターンシップに参加。それが「竹カフェ」を考えるきっかけでした。HAMADAは、産業廃棄物の分別処理やリサイクルなどに取り組む企業。インターンシップの課題は「“環境問題”と“学生の興味”を組み合わせた事業を提案すること」でした。僕たちは手分けして調べた情報を持ち寄り、夏休みの教室で毎日、議論を重ねました。そして、「鉄をリサイクルして、包丁をつくる」「ガラスをリサイクルして、風鈴をつくる」など、HAMADAが持つ技術を利用したアイデアを提案。でも、どれも撃沈。HAMADAの担当者の方からは、「本当に自分たちが良いと思ったものを提案している?」と厳しいお言葉をいただきました。そのときの僕たちは、実現性に捉われ過ぎて、発想を小さくまとめようとし過ぎていたのです。もっと自由に、大胆にいこう。それからの議論は、ずいぶん意見の広がりが出てきます。

たくさんの人を巻き込むことが、
プロジェクト成功のカギ。

突破口を切り拓いたのは、世間話での何気ない一言でした。ある日、椎野さんが「今朝のTVで観た、バリ島にある竹のログハウスがすごい素敵だった」と言ったんです。そこから色々と調べていくなかで 、竹林の放置問題を知り、「日本でも、竹のログハウスをたくさん建てたら、竹の消費量が増えて解決できるんじゃないか」と。さらに、「ログハウス」よりも多くの若者が利用する施設にしようと考え、「竹カフェ」に決めました。
ようやく企画が決まってホッとしたのも束の間、その後がもっと大変でした。竹の知識を深めるために、竹細工の工房や、放置竹林問題に取り組むNPO法人にSNSで連絡をとり、取材させてもらったり。芸大に通っている友達に声をかけて、店舗デザインを一緒に考えたり。メニュー作成や、損益計算。一番大変だったのは、アンケート調査です。カフェについて200名以上にアンケートを取ったのですが、質問が多すぎると回答率が下がるし、少ないと正しい情報が得られない。内容が重複しないように、また、答えを誘導しないようにと、質問項目を考えるだけで2ヶ月近くを費やしました。夏から始めたプロジェクトがようやく形になったときには、小雪の舞う季節になっていました。

仲間と過ごすめっちゃしんどい1年間。
それが賞より価値を持つ。

毎週水曜日に集まっては議論して別の曜日は各自で作業を進めた1年。振り返ると、大変なことばかりでした。でも、本気で意見をぶつけあって、助け合って、みんなでいくつもの山を乗り越えました。最後まで成し遂げたからこそ、コミュニケーションの取り方や、分担作業のやり方、度胸など、たくさんの力が身についた。このメンバーで過ごした1年間は、賞を取った以上に価値があると、僕は思います。

INDEX