大学紹介

2018年1月

わたし達は他者から生産的であると認められたときだけ 生きる権利があるというのか

フォン・ガーレン司教の説教

解説 / 社会福祉学部教授 芳野 俊郎

 「・・・非生産的な市民を殺してもいいとするならば、今弱者として標的にされている精神病者だけでなく、病人、傷病兵、仕事で体が不自由になった人すべて、老いて弱ったときの私たちすべてを殺すことが許されるだろう。」このフォン・ガーレンの説教は今もドイツ北西部の教会に大切に残されていることを、相模原市で起きた障害者施設殺傷事件から2ヶ月に再放送された『ホロコーストのリハーサル~障害者虐殺70年目の真実』(ETV特集)で知った。この説教のわずか20日後の1941年8月24日、ヒトラーは「T4作戦」(ティーアガルテン通り4番地にあった安楽死管理局の意)の中止を命令するものの、実際はハダマー安楽死施設のガス殺が中止されたのみであり、‘ユダヤ人大虐殺’ホロコーストが本格化展開(1945年4月30日総統地下壕で自殺を遂げるまで)する。
 “生産的か否か”で個人を分断する政策が密やかに忍び込むならば、「一億総活躍社会」は「格差=自己責任社会」にパラダイムシフトするのが歴史の教訓である。

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佛教大学宗教教育センター
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