大学紹介

2017年9月

常に善き友に遭いて 心を恥しめられよ

法然『十二箇条問答』

解説 / 仏教学部教授  藤堂 俊英

 「トモ」を表わす漢字をあげれば、共・倶・部・伴・侶・朋・友などがあります。ヒトは太古より「トモニ」という意識を大切にしてきました。それはヒトリでは狩りも防御も十分に出来ない、ヒトというか弱い生き物の生存に関わる一大事であったからです。善き友を持つことの大切さ、また善き友とはどういう人を言うのかについては、仏典のみならず、古代ギリシャの『ニコマコス倫理学』や古代中国の『論語』などの古典にも説かれています。
 善き友に出会うことは、その人に向上への縁を与えます。なぜなら、その友が自分にはないものに気づかせ、自己向上や自己拡大を促す恥じらいを喚起してくれるからです。仏教ではそのような恥じらい(慚愧)が、精進や忍耐と共に、各自が心に着せるべき衣服(ヴァストラ)として説かれています。そのような衣服を自分で着れるようになることが、独り立ちへの道なのです。

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佛教大学宗教教育センター
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