大学紹介

2017年2月

言葉の使用は 慈悲心より出て 柔軟に 音声に節度がなければならない

シャ-ンティデ-ヴァ 『入菩提行論』

解説 / 仏教学部教授  藤堂 俊英

 北欧のどこかの国のなぞなぞに「口から出て耳から入るものは何?」というのがあります。答えは「ことば」です。もう少し追跡すれば、口から出て耳から入った言葉は、心に到達します。七、八世紀ころインドに出たシャ-ンティデ-ヴァ(寂天)のこの詩句は、言葉の行き着く先を考慮しながら、言葉の生活を送るようにしましょうと読めます。
 ここでは言葉の生活の心得として、まず慈しみを添えることがあげられています。仏教では慈悲のはたらきを、苦しみを抜く(抜苦)・楽しみを与える(与楽)と説明しています。言葉はヒトが生みだした最も洗練された道具です。今日高度に発達した科学文明の中で、私たちは進化し続ける道具を使いこなしながら時代の流れに遅れまいと懸命です。それと同様、いやそれ以上に、もっと身近にある言葉という高度な道具の扱いに私たちは関心を払うべきでしょう。言葉は刃物になることもあれば、活力の源、癒しの力ともなるのですから。

「今月のことば」一覧に戻る

佛教大学宗教教育センター
syukyo@bukkyo-u.ac.jp

大学紹介